関東の小さい規模のところでやらせていただいていた頃、同じところでやっていたスタッフが私と出身校が同じだったのですが、そのスタッフが言うには、同じ出身校の後輩で学年でも非常に優秀と言われていた人だ…ということでした。その頃入塾してくださった生徒さんのお父様のことです。入塾時には、私はその生徒さんのお母様と面談させていただいたのですが、なぜ敢えて有名な大手ではなく我々のところを選んでくださったのですか…と伺うと、いやあ、塾なんてどこでも同じと思いますので…という意味のことをおっしゃって、私はそのときは、中身を見てそれほど有名でない自分たちのところを選んでくださったのだ…と勘違いをしていました。

 

ただ、それから余り日が経たないうちに、その生徒さんのお父様からクレームが来ました。要は、無料対象になっていないという話は聞いていない…という一点張りでした。

 

実は、私たちスタッフはダンピングには反対だったのですが、既に上(というのか前任者と申しますか…)が決めていた無料政策というものがあって逆らえませんでした。なので、我々が経営上の責任を負う段階になってもすぐにその無料政策は解除出来ず(我々が引き受けたからと言って、明日から各種無料政策をいきなり停止します…ということなど言えるはずもありません…)困っていたのですが、学年度が改まるごとに、対象を狭めていったのです。偶然、その方の入塾説明会においては説明担当は私だったのですが、丁度その切り替えの時期だったため、何度も、学年によって無料対象が異なるなどの件には触れたのですが、そんなことは聞いていない、それなら分けて説明をするべきだ…等と罵られました。急ぎの対応だったのでたまたま私が自宅から電話を入れたため、自宅に折り返しの電話がかかってきてそれに対応せざるを得ませんでした。今なら完全にカスタマーハラスメントレベルだったと思います。でも、そのことよりも、やはり所詮目先の授業料のメリットだけで選ばれていたのか…ということが残念でした。

 

その後、その塾を買収していただいた親会社(本当にお世話になりました)の上席の方も、教材とシステムを選ぶ際に、教材は何を使っても大差はない…という意味のことを言われました。(そのときにいたスタッフたちが関与したテキストを使いたかったのですが、各種権利関係が複雑なので、上席としては、整理して違うものに切り替えたかったのです。)確かに、私が駆け出しの頃、大手塾でも、テキスト「を」教える…のではなくテキスト「で」教えるのだ…ということは叩き込まれていましたので、ある程度は同意出来ましたが…でも、やはり、ボリュームゾーン対象ならともかく、上位帯対象になってくると、そうは言えないという現場でやっているからわかる思いもありました。

 

(2に続きます)