勉強の本来の目的は、入試で得点を取ることではないのです。もっと根源的な内容をしっかり理解し実感し、場合によっては各種問題を解き崩す事が出来るようになることだろうと思います。しかし、ここが、学校と塾のある意味での役割分担のところでもあり、やはり、塾には入試での得点を高める…ということが期待されているものと思います。

 

今述べた中で、塾という立場から申し上げますと、中学受験、それも上位校の受験を考えていくときに、最終的には入試においていかに得点出来るか…ということが重要にはなります。そうです、入試問題で得点する…ということが大切なのです。そこで、大手塾の場合は、各種予想問題なども提供していきます。あるいは、関連する問題…ということで、色々な関連する問題なども提供することになります。ここで、それらの問題が、入試問題に色んな意味で似ているか…ということが、余り議論されません。

 

端的に申せば、例えば、大手塾が一つの売りにする冠模試(志望校別対策講座の予想問題でもいいです)の問題ですが、実際に見ていると、妙にこねくり回して難しくしている…ということも結構目立ちます。教材でもそういう傾向があります。そうでなくても時間が不足している生徒に、こんな複雑なことをさせる必要があるのか…と疑問を感じることがあります…が、意外とそれがまかり通っていたりするのです。もっと題材そのもの、あるいは作問する視点などにおいて良いものを提供して上あれば良いのに…と感じることがあるのです。

 

ただ、確かに、そういう妙な複雑さに耐えるだけのパワーを身につけることもプラスになるかも知れません。そういう問題を数多く当たる、ある意味で昭和的な精神論に結びつきそうな鍛え方…というのもあるのかも知れません。しかし、私は、その方向性というのは不誠実と考えてしまいます。