私は関東にいた期間は長いわけではない上、関西に戻って再びある程度期間が経ってしまいましたので、リアルタイムで比較することはできませんが、塾風土の関東と関西の違い…というものがいくつかあります。

 

まず、志望校別特訓の呼び方…。この、「志望校別特訓」というのは関西の表現で、関東では「学校別特訓」と言われることが多いようです。まあこれはでも、どうでもいい話です。

 

塾の復習テストのシステムも、関西は、復習テストといって、授業内で前回授業の学習範囲から出題されるテストを実施する…というところが多いですが、関東のシステムは、週末などに複数教科集めたテストを実施する…というものが多いです。後者の欠点は、祝日も休みにできない…というところがあります。(逆にいえば、祝日を休みにして、別課金のイベントを多々行うのが、関西でよくあるシステムです。)

さて、算数において、特に顕著な違いが2つあります。一つは、円周率にπを一切使わないのが関東。関西から関東に出向したとき、これはカルチャーショックでした。勿論、πを使った方が、合理的な計算につながりやすくなりますし、特に使わない理由が見当たりません。

 

あと、平均や濃さの問題の処理に、てんびん法を使うのが関西なのに対して、関東は徹底的に面積図です。あるいはつるかめ算などでも、関東は面積図が多いですね。面積図には欠点があって、2つ並べるのが難しい…というのと、あと、弁償の問題(つるかめ算のうち、運ぶと運賃をもらえるが、失敗すると弁償しなければならない…とか、勝つと3歩進み負けると2歩退く…というようなタイプのもの)などのようにマイナスの表現が難しくなるというところがあります。なので、関東系でも弁償の問題だけは解き方がいきなり表や交換のやり方になります…であれば全て同じ方向性で統一した方が合理的だと思います。

 

最近は関東の塾が関西に進出したりその逆などもあって、徐々にそういう違いも薄まっていくのでしょうが、できるだけ生徒が問題を処理しやすく、実感しやすい方法を中心に扱いたいものです。