大手塾での仕事の駆け出しの頃、塾の上位クラスで何かの話題が出たついでに聞いた印象として、1クラス30人(いたとしてそ)のうち、一人っ子は、10人以上(場合によっては半分近く)いたように思います。しかし、最近、同じく最上位クラスで聞いてみると、一人っ子は2割にも満たない感じです。

 

でも…

 

今、日本の国力を根本的に蝕んでいる厳然たる事実として、少子化があります。

 

生徒にも言うのですが、3人以上の兄弟がいないと人口は絶対に増えないよと。詳しいことは分かりませんが、出生率2.07が人口維持には必要ということのようです。(男女比や、縁起でもないですが、成人するまでに亡くなる確率などが勘案されているのだと思います。)

 

結局、塾に来ていただいているご家庭のお子さまご兄弟の人数は平均すると増えていたとしても、結婚しない方や、お子さまがおられない方が増えているのだろうと思います。

 

私がこの仕事をしていてかなり前から時々考えていたことは、塾があるために子育てにお金がかかり、少子化を助長しているのではないか…ということです。最近の大阪府では一部違ってきていますが、基本的に受験のための進学塾というのは、必要とされている割には行政による補助のようなものは一切ない状態で推移してきました。しかも、駅に近い利便性の良い物件を借りて、ある程度の学力を有する人材を雇用しなければ運営できないため、人件費と賃料がかなりかかる(これらで売り上げの半分以上を占める場合が多いと思います)業態なので、必然的に塾費用はある程度高くなってしまいます。

 

高齢の両親を抱えていて、介護保険というのがある程度ありがたいものだ(ただし、これも、能動的に動かなければその恩恵を受けることが出来ません。私の親はどちらかというとそういうものに頼ろうとしなかったため、本格的に介護が必要となったときに私が慌てて色々調べ回って手続きをした覚えがあります)というのはよくわかりましたが、同時に、育児・子育てをしている人を支える態勢ももっと拡充されなければならないと思います。複数の子どもを抱える身として、殆ど恩恵を受けることなく踏ん張っているのが現状です。

 

既に40年以上前に少子化が予測されていたそうですが、この40年、殆ど何も対策されないまま無為に時間が過ぎてきた感がありますね。その結果が、現在の人口の推移ということになります。