前々回、前回からの続きで、中学受験大手塾の講師に要求される要件についてです。

 

④何らか生徒を引っ張れそうに見える部分

これは、やはり言っても小学生ですから、ある程度子どもがついていくキャラクターを持っている必要があります(特に男子相手の場合)。これは色々な方向性が有るので、こうでなければならない…という決まった方向性というものはありません。

 

私は、若い頃大手塾で仕事をするようになってから2年あまり経ったとき、初めて最上位校の志望校別特訓を担当することになりましたが、算数担当として組んでいるもう1人の方が、超カリスマ性のある偉大な方でした。ので、カリスマ性で勝てるはずもないわけです。が、誠実に、生徒と向き合うことに注力し、そのカリスマの方を補完する働きが出来れば…と思って動いていました。すると、そのうちそれなりに生徒たちの気持ちをつかむことが出来るようになりました。

 

私は、組む相手が表に出るタイプの場合、張り合ってこちらも…と考えることはしません。補完する方向性を考えていきます。そのため、生徒を見抜く目を養うことも出来ました。

 

よくこの業界に入って勘違いされやすいのは、雑談などで人気を取ろうとする動きです。一時的には、そういう方向性も生徒を引きつけることつながる場合もありますが、特に上位クラスになると、やがて見透かされるようになります。あくまで本質的な内容で引っ張ろうとするに当たって、ちょとした話術や、色々な(強要など)豊富な話題を持っていることが、生徒から見たときの魅力につながる…というところがあります。

 

ここで、色々なことをまとめると、結局のところ、

その人の感性

ということに尽きるような気もします。なので、優れた指導者は、たまたま好きでこの仕事に入ったものの、もし他の世界に入っていても、色々うまく進めて行けたのではないか…という担当が多いということも事実です。