ロンはいい奴だがいつも騒がしいので私は少し避けていた。サムは年長者というだけで陰口を叩かれていたが私は親近感を感じていた、明るく前向きな所がどこか亡き父に似てる。ロンとサムは仲が良い。 

 ロンは一番最初に迎えの船が決まっていた。サムは年齢制限があるから門前払いだよと船探しを諦めていた。そんな弱気な事を言ってどうするんだよとロンはサムの為に引受可能な船を探した。2つ見つけたが交渉の結果1つはダメでもう1つの方は大丈夫だった。船は決まった。1つ目ダメだった時のサムの顔を見て私は祈った。どうかもう1つの方は大丈夫であってくれ。

 決まった後のサムの顔は生き生きしていた、希望の星になりたいとも言っていた。ますますサムを好ましいと思った。そして普段は避けていたロンに心の中でありがとうと言った。