サムの出立の前日だった。君はまだ迎えの船が決まってないよね、これはどうだい?昨日までは一覧に無かった、今日出てきたよ。

 その頃の私は頼りにしていた業者が全く当てにならない事が分かり、途方にくれていた。周りも自分の事で精一杯だったから誰にも相談しなかった。 

 ほらすぐに連絡をしろよ善は急げだ!私は半ば心ここにあらずだったが、取り敢えず連絡してみた。

 どうだった?手続きは済んだよ、でもまだ確定ではないらしい、上手くいくように祈っててくれ。もちろんだよ。 

 次の日サムは旅立った。サムよ君の提案が無ければ私は今でも一人で島に居ただろう。もしもまた出会える日があったら思い切り抱きしめさせておくれ。