今回は、なるべく私見なくweb記事をご覧いただき、「もし、私がここに住むこととなったらどう思うか?」との視点で読み進めていただければと思う。
まずは、本日発表の記事
「住まいのない生活保護利用者」は一体どこで暮らせばいいのか:大西 連
「施設」と名のつくものは色々あるが、生活困窮者関連で施設といえば、恐らく大概の場合記事の施設を指す。
何でこのような施設が存在するか?どのようなルートで困窮者は施設に行き着くかについては記事に譲るが、ここで確定期日のない(一時利用か長期利用かもわからない)、もしかするとここが終の棲家になるかもしれない、という前提で、自分がそうなったらどんな心持ちになるか考えていただきたい。
個人的には全然他人事ではないが、現在収入も安定し少なくとも貧乏との感覚がない方でも、ある日突然脳梗塞などを発症し、手足が全く効かなくなることなど「絶対にない」と言い切れる人はいないだろう。
家族の世話になるとの選択肢も勿論あるが、頼った挙句一族全員貧困化、などもありうる。
(親戚の家計、収入や特に負債まで把握している人は少ないだろう)
そこで選べる選択肢は極めて少ない。いや、選択できるだけまだ良い。
記事文中の記載も、ある意味「ベルトコンベアー式」に施設に入居する側面が見えるだろうことから、私も含め「気付いたら施設」となる可能性は充分にある。
「とは言っても、施設ってどんなところ?」との疑問もあるかと思う。
1 2帖の部屋に住むしかない……無料低額宿泊所の実態:土肥義則
2 【寿町火災】超高齢化・日本の縮図 集合住宅共通の課題:神奈川新聞
1の記事は、敢えて少し古い記事(2010年)を持ってきた。
2 の記事は今年(2019年)の記事。
「無料低額宿泊所」と言われてもピンとこないかもしれないが、「脱法シェアハウス」を聞いたことの無い人はいないだろう。
「脱法~」は諸行政機関の締め付けで、確かに数を減らしている。
(どんなモノなのかについては、是非検索を)
「無料~」の実態(扱い)が、前述の施設に相当すると考えて、恐らく差支えない。記事に記載されている地域だけに限らず、施設はすくなくとも都区内にも相当数ある。外観から木賃アパートなどと区別するのは、不動産屋ですら簡単ではない。
支援住宅火災で11人死亡 貧弱な「居住福祉」の現実:毎日新聞社説
この記事は2018年に発生した火災を扱っているので時系列には注意を要するが、少なくとも去年から今年にかけて、施設の安全性などに関して格段の改善があったということはない。
「居住福祉」「居住の貧困」をキーワードにして調べると、書籍やweb記事が相当な数ヒットする。
簡易なもので構わないので、「もし、(全ての条件・選択が悪い方に転んで)自分がここに住むことになったらどうしよう」との視点で一度読んでいただきたい。
現在施設にお住いの方も、最初から「俺は施設だな」と思っていた人はほとんどいないと思われるので、「彼らと俺は全然違う!」と断言できる人も、恐らく多くはないだろう。
勝手に調べやがれというのも無責任なので、お勧め本を1冊
- ハウジングファースト 住まいからはじまる支援の可能性/山吹書店
- ¥2,808
- Amazon.co.jp
なお、何屋さんだか分かりにくい弊社は、この問題と密接に絡んで起業した。
(本当かよ?と思われた方は、 こちら へどうぞ)
大勢の方々が課題解決に向けて動いているが、なかなか正解が出ない。
無論、私も知ったかぶりはしないが、ひたすら考え続けたい。