気がつくと、ぼくは灯台が見える丘の上に座っていた。

白く冷たい光りがまっすぐに夜の真っ暗闇を切り裂いて、ぐんぐんと、力強くこちらへ向かってくる。キラキラ光る一本の線は、一瞬にしてぼくの目をくらませて遠くへ立ち去って行ったかと思うと、またこちらを目指してすごいスピードでやって来る。くるくると、止まることなく回り続ける光り。遠くなる意識。

どうやってここへきたのか、一体何のためにここにいるのかは覚えていない。ただ寄せては返す波と、鈴虫の奏でる優しい秋の音色が心地いい。

先生は言った。こうなりたい未来を見つけて、そこに向かって行けと。

先生によると、今日の自分が幸せなのは、昨日の自分が今日生きているぼくのために、ちょっとした親切をしてくれたおかげだそうだ。だからぼくは、明日生きる自分のために、何かひとつ親切をする。そうすると、明日の自分はハッピーになって、明後日の自分にもっと親切をする。そうやって、みんながちょっとずつがんばれば、こうなりたい未来に手が届くようになるかもしれないんだ。

明日の自分に優しくしてやろう、そう思ってすることは、そんなに苦じゃない。ハッピーの連鎖は、他人もだけど、自分の中からも広げていければいい。

そんなことを思いながら、回り続ける灯台の光りを眺めている。

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(ぼくが撮影した、とんでもなくぼやけた灯台の写真)