こんにちは。
唐突ですが一言いいたい。
約束のネバーランド
めっちゃ面白い。
*以下アニメのネタバレ含みます。漫画のネタバレも含みます。
あんなに面白いお話作れる漫画家さんは素晴らしいですね。正直、今絶賛流行中の鬼滅よりも私は好き。
鬼滅はどちらかというと、ストーリーはもちろん好きだけど、世界観とかキャラクターが好きで、約束のネバーランドは世界観やキャラクターはもちろん好きだけど、ストーリーが面白い!!
流行ってるから見てみようという軽い気持ちで作業しながら見てたのに、いつの間にかテレビに釘付けになって、一日で一期見てしまった。二期が待ち遠しすぎます。
シスター・クローネが滅茶苦茶好きです。首に番号があって体の中に電流が走るのが埋め込まれてるって知った時から、この人には今の子供たちよりつらい過去を経験してきたんだと思って敵に見えなくなった。
イザベラは最後まで好きじゃなかったけど、この人にも過去があるんだと思って憎めなかった。
だけど不思議ですね。イザベラの母性がよくわからない。本当に思考が読めなくて怖かった。
それから、レイはどんな想いでイザベラのことをママと呼んで話してきたんだろう、とか、イザベラはレイに対してどう思ってたんだろうとか。
エマとノーマンは嫌悪や憎い気持ちもあるけど、最近まで慕っていた気持ちを消しきれないっていうのがあるのかなって思いました。
エマやノーマンの楽しかったこと、嬉しかったことの回想シーンにはイザベラの存在がついて回るのでこの子たちは過去の記憶を思い出すたびにイザベラのことも思い出し、その笑顔やかけてくれた言葉が偽りのものだったのかと感じてしまうのかと悲しくなった。
ノーマンが連れていかれるところはやばかった。
でも、ノーマン絶対生きてると信じて思わず調べてしまった。
まず、主要キャラクターが死ぬなんてないし、ましてやノーマン!!絶対人気あるキャラ!!
声優だって内田真礼さん!!
それに、この漫画家さんは一回地獄に突き落としてからの良い方向に向かってくストーリーを描く人っぽいし、
ノーマンいなかったらレイの努力だって水の泡、それにノーマンの最後のシーンの違和感、
絶対生きてる!
調べたら、
生きてたあああ、良かったよおおお。
ただノーマンは頭が誰よりもいいから、レイにもエマにも内緒で誰にもペナルティが課されることがなく一人で逃げ出す方法を考えて決行したんだと思ってたから、そうじゃなかったのがショックだった。
漫画は読んでないので、今度読みます。
前置きが長くなったけど、今回のタイトルの意味はそのまま、
『約束のネバーランド』のモデルになった小説、
『わたしを離さないで』
/カズオ・イシグロ

を読みましたっていう話です。
正直、嫌いではないけど好きでもないって感じです。面白くなってきたのが話の大体三分の二が終わってからで、それまでは話の緩急がなくて、推理ものとかエンターテイメントを求めてる人は途中でやめてしまうかもしれない。
私自身、やめようかなって何度も思ったのだけど、ノーベル文学賞を受賞された方の代表作だし、購入した本だし、面白くなるかもしれないし、という気持ちで少しずつ読み進めて一カ月くらいかかりました。
読んでよかったなっていう思いもあるけど、知らなくてよかったことを知ってしまったみたいな気持ちにもなった。フィクションなんだけどね。
読んでから時間が経ってるので間違えてたらすいません。
約束のネバーランドの初めの部分、エマとノーマンが真実を知る前までの孤児院の様子と、『わたしを離さないで』のイメージがピッタリでした。
約ネバに、シスター・クローネが人形の赤ちゃんを抱っこして話しかけてるシーンがあってかなりヤバいやつ風になってましたし、エマとノーマンも引いてたけど、そこのシーン、わたしを離さないでの主人公の歌いながら体を揺らして赤ちゃんをあやしていた場面を思い出してしまった。
小説の設定では、鬼なんてものは出てこないのだけど、施設で育てられた子供たちは大人になったら施設の外に行って過ごし、臓器を提供するために育てられた子供達。言ってしまえばクローン人間で、生殖機能はないから子供を産むことはできない。
約ネバでのイザベラやクローネのような存在は小説の中では保護官と呼ばれる人たちで、グランマはマダムと呼ばれる人。マダムは『わたしを離さないで』の主人公が歌いながら枕を赤ちゃんに見立ててあやしているところを見て泣いていた。
小説とアニメの大きな違いは、約ネバでは子供たちが自分の決められた運命を否定して抗うところ。それに比べて、『わたしを離さないで』は自分の運命を受容しているところ。アニメは本当のことは完全に隠されているのに比べて、小説ではやんわりと明かされている。それでも詳細は明かされていない。
それに、そこまでの隔離はなく大人になれば好きなところに行くことができるのに逃げようという考えが初めからないというところです。そこが私にとっては不気味でした。生々しい表現とか、グロいところとか一切ないけど、四回目の提供でほとんどが最期を迎えるとか、今回はあまりよくないみたい、とか書かれているのを読むと生身の人間から何度も臓器が取り出されているんだ、、って。
淡々と丁寧な口調で初めから最後まで書かれているのも不気味だった。
臓器を提供し始める前は介護人といって、臓器提供者の介護をするのだけど、臓器提供者を間近で見ていて次は自分の番だと考えたら怖くならないのかなと考えてしまった。介護をさせるってかなり残酷ですね。
人の尊厳をテーマにしたものと書かれていたけど、もしこういう世界が存在してたら、本当に人は同じような行動をとるのかなとか抵抗しないのかなとか、クローンの元の人間、自分とそっくりの人間と出会ったとき何を思うのかなとか、様々なことを考えてしまいました。
臓器移植の話であれば、斎藤智裕さんの、『KAGEROU』のような設定であれば、私は賛成です。