私が夫を
とても大事にしていると
言って下さる方がいる。
今、珍しく
絶賛喧嘩中なので
そうでもないよーと
思うけれど
なんていうか多分、
私は聖人君子的に
夫を敬い大切に
しているわけではない。
たとえば。
そうだな。
私が
浮気をしないわけを
話してみよう。
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たとえば私が
誰かと浮気を
したとする。
その時点で私は、
夫以外の男にでも
手に入れることが
出来る女になるわけだ。
私はこれが
気に入らない。
私は自分の夫を
最高だと思っている。
世界一かっこいい
他にいない男だと
思っている。
だから、
彼と一緒にいる。
私は、
彼でなければ
落とせない女なのだ。
もし、私が
たやすく、気安く
誰かと浮気したり、
または相手に
ヤレると
思わせるような女で
あったとしたら
その時点で
我が最愛の夫は
男の世界で
負け犬になる。
私が、
私の気の迷いで
うっかり相手を
してしまったばっかりに
そのラッキーな男は、
本人がどう思うにせよ、
見方によっては、
あろうことか我が夫を
出し抜いた男に
なってしまう。
それは、
私にっとては
許しがたいことだ。
そんじょそこらの男に、
私の夫を
舐めるような余地を
髪の毛１本分も
与えるつもりはない。
私が浮気をするとしたら、
夫とはまったく
関係のない動機で、
私がそうしたい、と
思った時だけだ。
だけど私たちは
文脈の中で生きている。
物事がそれだけで
孤立して存在することは
ほとんどない。
私が、
私の選択として
浮気をしただけなのに
私が
属している文脈によって
夫までもが、
浮気された夫、に
なり下がってしまう。
だから、しない。
私にとって、
私及び私を構成している
重要な要素たちを
他人によって
不当に評価させることは
何よりも
許しがたいことなのだ。
＊＊＊＊＊
…どうだろう。
共感する人は
いただろうか。
私の言ってることは
正しく聞こえただろうか。
夫を大切に
思っている妻のように
聞こえただろうか。
そうでもないか（笑）
そう、これは別に、
愛的な話ではなくて
私の個人的な
趣味嗜好、美学の話。
だから正しくもないし
ツッコミどころも満載だ。
＊＊＊＊＊
実際のところ。
私が物事を
どう捉えているかというと。
浮気はまったく
禁止されるべきもの
ではないし
寝盗ったとか
出し抜いたとか
そんなのは、
そう世界を捉えている
「私」の物差しでしか
ないと思っている。
文脈というのは
確かに存在するとは
思うけれど
本当は、
”文脈”だからこそ、
瞬間を切り取った
フレーミングなんて
ほとんど意味がない。
物語は進み、
起きた出来事の
その意味合いは
常に変化するからだ。
だからそうしたければ
浮気でもなんでも
誰でも、自由に、
すればいいと思っている。
夫にも同じように
思っている。
彼がなぜ
（私の知る限り）
浮気をしていないのか、
というと
彼が今は、今日は、
そうしたくなかった
からだろう。
私はそれを
禁止していないし
禁止してどうにか
なることだとも
思っていない。
今日したくない彼と
今日して欲しくない私が
いるだけで。
というかそもそも
浮気ってなんだろう。
気持ちも関係性も
常に変化している。
夫婦であっても
その関係性をもし、
色で表すことが出来たら
それはきっと
様々な色の
グラデーションに
なっているだろう。
固定されているものなど
何一つないのだ。
だから私は
冒頭に書いたような
世界観を好んで
採用してはいるけれど
もしこの先、
私が、したい、と
思うことがあれば。
いとも簡単に
浮気するだろう。
夫への罪悪感など
微塵も感じないだろう。
美学や生き方は
私が「選択している」
ものであって
私の上に
立つものではない。
私を制限することが
出来るのは、私だけだ。
＊＊＊＊＊
私の好む世界観は
とっても武士道的。
忠とか義とかの世界。
だけど私は自分が、忠も義も、
自分の都合でいとも簡単に
裏切り、投げ出す、
ご都合主義で利己的な面を
持ち合わせた人間だと
知っている。
自分が最終の局面で
弱くて卑怯な人間だと
知っているから
最終の局面でない時は
出来る限り、
自分が美しいと思う
生き方を選択しようと
してるだけ。
気分がいいからね。
＊＊＊＊＊
私に言わせれば。
誰も
人のためになんて
生きていけない。
自分がそうしたいから
そうしているだけ。
私が夫を
大切にしてるように
見えるのは
私が私の要求を
叶えているだけのこと。
夫もそうあればいいと
思っている。
相手のために、なんて
思っているとしたら、
それはただ
自分に正直じゃないだけだろう。
…って私が心、
黒すぎるのかしら（笑）
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