「ありがとうございます。 申し訳ございませんが、三木の自宅に直接行って頂けませんか。 この地図に三木の住むマンションを印しておきました。」
  野田は慎重に警察バッチを確認した後、一枚の地図を森に渡した。

「判りました。」
 これで芸術鑑賞会も終わりだと喜び勇んで腰を上げた森に野田が声を掛けた。
「大変も申し訳有りませんが、三木に会われたら、どんな様子だったか私までお知らせ願えませんか。」
  野田は名刺を差し出した。 


「判りました。 ですが、三木さんのご様子に何か変わった点でもあったのですか。」
「お恥ずかしい話ですが、突拍子も無いことを言われましたので。」
そう言う野田に最初の時の落ち着きは無かった。


「突拍子も無いとはどんなことですか。」
「しばらく出社しないと、もう連絡するなと。 声は落ち着いていたのですが。」  
 
「三木の住まいはてっきりさっきのビルの中のマンションだと思っていたが、まさか稲城なんて郊外だとは思わなかったな。」
 森の乗るクラウンは首都高に乗った所だった。
「ネットで調べたらかなりの車好きと書いてありましたから、もしかすると高速を走りたかったのかも知れません。」
 
「稲城の生まれじゃないんだろう。 高速を飛ばすためだけに、わざわざそんな田舎に家を建てるかな。」
「意外と早いですよ。 中央道は比較的空いてますし。」

 地図に印された三木の家は稲城のインターチェンジを出てものの数分で着く住宅街にあった。 一際立派な木と漆喰を使った洋館はすぐに目に付いた。 本社のアートなエントランスや気鋭のIT社長と言う肩書きから想像していた家とは違う落ち着いた趣味に森は気持ちを引き締めた。     
 
  生け垣に囲まれた鋳鉄製の門は開いていた。 家の前に車を止め、森達は玄関までの短い階段を昇った。 

  チャイムを押すまでもなく、三木がドアを開けて二人を生じ入れた。 

「お待ちしてました。」
三木は意外にもにこやかに二人を先導して、応接間に案内した。


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