「出て来るんですか、マカロンが。」
「はい。 人形の家が崩壊する原因がマカロンなんですよ。」


「マカロンが原因で崩壊するんですか。」
「ヒロインが顔ほどもある大きなマカロンを食べるのを亭主が怒って、それに反発を覚えたヒロインが家を出ていくんです。 うちの母がマカロンが好きでしたから、子供心に大丈夫かなと不安になりました。 それ以来マカロン好きです。 すいません、くだらないことを話してしまって。」


「そんな話とは知りませんでした。 今度読んでみます。 確かに美味しいですね。 亭主と引き替えにしても食べたい味かどうかは疑問ですけど。」
 三木は少年のような笑顔を見せた。
「で、また増資でもされるんですか。」


「いいえ。 はっきり申し上げると、事業の全てを手放したいんです。 出来るだけ有利に。」 三木はさっぱりとした顔で言った。
「全て、ですか?」
 亮二は天井を仰ぎ見た。


「そうです。 既に上場しているベストプライス社及び子会社関係のある企業は株券所有のままでも構わないんですが、出来れば全て売り抜けたい。 そして、まだ上場していないブログリンクや委託研究開発を行っているオン・ザ・デスクは事業ごと売却もしくは、上場して株式保有としたい。」
「それは、またどうしてですか。」


「ワーカホリックから足を洗いたくなったんですよ。 本当にハワイかロスに移住にして、小さなコンピュータショップかいっそコーヒーショップでも開いてのんびりと暮らしたいんです。」
「三木さんにそれが出来ますか。」


「今の私なら出来るし、今を逃したら出来ないとも思います。」
「つまりは、三木さんのお手元に最もキャッシュで残る形で事業全てから撤退したいと仰るわけですね。」


「その通りです。」
「ベストプライスにしろ今の市場価格は三木さんの存在あっての価格です。 三木さんが辞めると表明されたらその時点で恐らく暴落します。 他の会社も同様です。 最善の方法はホールディングスにして統合してから株式を売却することでしょうが、この方法でも三木さんの退任による株価の急落を止めるのは難しい。」



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☆ 愛故に自ら奴隷となった美少女の官能小説も書いています。
   余りに過激なので、18未満の方は絶対読まないで。
「アンドロメダな朝」を最初から読む。