「当時、マルガイ以外の客はいたのか。」
「すいません、報告すべきでした。 全従業員が早い時間であり見ていないし、予約名簿にも誰の記載もありませんでした。 また当日の予約は11時半まで誰も誰も入れていませんでした。」
  担当者は報告項目を忘れた事を大勢の捜査員の前で指摘されて、顔を真っ赤にさせた。

「なるほど、では殺害当時現場にはマルガイと従業員以外誰もいなかったと考えていいんだな。」 
「そう考えるのが順当だと思います。」

「ありがとう。 次に鑑識からお願いします。」
「鑑識からの報告事項は、次の通りです。 被害者が遺棄されていたクローゼットのノブ等周辺からは、掃除担当者以外の指紋は出てきませんでした。 マルガイの服装その他の所持品からもマルガイ及びそのご家族以外の指紋は採取されておりません。 なお、マルガイが直前に飲んでいた思われるコップ等は前日だったこともあり洗浄されてしまっていて特定出来ませんでした。」
  鑑識係長は、淡々と語った。

「要するに一切犯人の手がかりは出てこなかったと言う事ですか。」
  管理監はいらつきを隠そうとはしなかった。
「はい、今のところ犯行に結びつく証拠は出ておりません。」
  鑑識係長は申し訳なさそうに言った。

「マルガイの使用した車は確認しましたか。」
「TOLの駐車場におそらく犯行当日から丸1日留められていたと考えられますが、マルガイの指紋以外は一切出てきませんでした。 また、ご遺族に確認頂いておりますが遺留品は全てマルガイの物であると確認されております。」
  報告を聞いた管理監の舌打ちがマイクを通じて聞こえた。 鑑識係長は目を反らして着座した。

「続いて、犯行当日及びここ数日のマルガイの足取りについて、報告願います。」
  管理監は気を取り直したようだった。 
「警視庁麻布署刑事課の佐溝警部補です。 ご遺族の証言から昨日午前8時45分頃にマルガイはゴルフに行くと言ってゴルフバッグを持って家を出ております。 8時52分にはマルガイの車が首都高六本木インターに入ったことがETCの記録に残っており、同じく9時11分には湾岸線の舞浜料金所を通過しております。 また、TOLには990クラブメンバーカードを提示してVIP用の駐車場に9時20分に入ったことが記録に残っております。 以上から事件当日、マルガイは恐らく家を出てから何処にも寄ることなく真っ直ぐにTOLの駐車場に入ったものと考えられます。 また、VIP用の駐車場から犯行現場と考えられる990クラブまでの平均的な移動時間を考えると、そこでも真っ直ぐに990クラブを目指して移動したのではないかと考えられます。」


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☆ 愛故に自ら奴隷となった美少女の官能小説も書いています。
18歳以上の方は是非お読み下さい。
「アンドロメダな朝」を最初から読む。