「この二日間の記憶が無いってこと?」
「そう。 気が付いたら新宿駅の東口にいたの。 それでとにかくうちに帰ろうと、京王線に乗って。 ここに来るまでずっと考えてた。 何をしてたんだろうって。 でも、全く思い出せないの。 今日は何日?」
「5月21日、金曜日。」
「あぁ、私の記憶では今日は水曜日。 二日間、何をしてたんだろう。」
「記憶の最後は何だった?」
「お店を出たわ。 そしてタクシーに乗ったと思う。 多分だけど。」
「多分って?」
「いつもお店がはねればタクシーで帰るから。 でも、乗ったと言う記憶が無いの。」
ナオは不安そうに瞳をきょろきょろと動かしている。
「どこまである? 間違いなく思い出せる記憶は?」
「うん、いつも来てくれるお客さんを出口までお送りした。 それは間違いがない。 また週末にも来るからって笑って帰っていった。 で、時計を見たの、12時50分だった。 後10分、お客さんが来ないといいなって思った。 1時までにお客さんが見えると取らなきゃいけないから。 早く帰りたかった。 その後・・・。」
ナオを三木の頭上に視線を向けて考え込んだ。
「その後は? 時計を見て、そこで記憶が切れているの?」
「分からない。 それからどうしたんだろう、私。 お客さんが来たような気もする。 顔も思い出せないし、本当に来たのかどうかも。 でも、なんか嫌だなって思った感覚だけはあるの。 そう、確かに嫌だと思った。 でも、それがお客さんが付いたことをそう思ったのか、他のことで嫌だと思ったのか分からないの。 私、どうしたんだろう。」
ナオはすがるような瞳で三木を見る。
「タクシーに乗ったかどうか分からないんだね。」
「ええ、乗ったと思うけど。 お客さんが付いても付かなくても、帰る時はタクシーだし。 私ね、用心のためにお店から直接ここまでタクシーで帰らないで、いつも一度新宿で降りて、タクシーを拾い直すの。 帰ってくる前、記憶が戻ったのは、どうしてここに居るんだろうと思ったのが新宿の東口だったから、多分、そこまでお店からタクシーに乗ったんじゃないかと思う。」
三木はナオにコーヒーを勧めた。 ゆっくり聞き出さなくては、ゆっくりすることが肝心だと思った。 客を取ったにしろ取らなかったにしろ、店に確認すればナオが店を出た時刻、タクシーに乗った時刻は多分分かる筈だった。 店の中で2日間、記憶を無くして過ごしていたとは店長の口振りからも考えられない。 何かが、新宿で起こった。 それを三木は知りたかった。
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☆ 愛故に自ら奴隷となった美少女の官能小説も書いています。
18歳以上の方は是非お読み下さい。「アンドロメダな朝」を最初から読む。
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「あぁ、私の記憶では今日は水曜日。 二日間、何をしてたんだろう。」
「記憶の最後は何だった?」
「お店を出たわ。 そしてタクシーに乗ったと思う。 多分だけど。」
「多分って?」
「いつもお店がはねればタクシーで帰るから。 でも、乗ったと言う記憶が無いの。」
ナオは不安そうに瞳をきょろきょろと動かしている。
「どこまである? 間違いなく思い出せる記憶は?」
「うん、いつも来てくれるお客さんを出口までお送りした。 それは間違いがない。 また週末にも来るからって笑って帰っていった。 で、時計を見たの、12時50分だった。 後10分、お客さんが来ないといいなって思った。 1時までにお客さんが見えると取らなきゃいけないから。 早く帰りたかった。 その後・・・。」
ナオを三木の頭上に視線を向けて考え込んだ。
「その後は? 時計を見て、そこで記憶が切れているの?」
「分からない。 それからどうしたんだろう、私。 お客さんが来たような気もする。 顔も思い出せないし、本当に来たのかどうかも。 でも、なんか嫌だなって思った感覚だけはあるの。 そう、確かに嫌だと思った。 でも、それがお客さんが付いたことをそう思ったのか、他のことで嫌だと思ったのか分からないの。 私、どうしたんだろう。」
ナオはすがるような瞳で三木を見る。
「タクシーに乗ったかどうか分からないんだね。」
「ええ、乗ったと思うけど。 お客さんが付いても付かなくても、帰る時はタクシーだし。 私ね、用心のためにお店から直接ここまでタクシーで帰らないで、いつも一度新宿で降りて、タクシーを拾い直すの。 帰ってくる前、記憶が戻ったのは、どうしてここに居るんだろうと思ったのが新宿の東口だったから、多分、そこまでお店からタクシーに乗ったんじゃないかと思う。」
三木はナオにコーヒーを勧めた。 ゆっくり聞き出さなくては、ゆっくりすることが肝心だと思った。 客を取ったにしろ取らなかったにしろ、店に確認すればナオが店を出た時刻、タクシーに乗った時刻は多分分かる筈だった。 店の中で2日間、記憶を無くして過ごしていたとは店長の口振りからも考えられない。 何かが、新宿で起こった。 それを三木は知りたかった。
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