=2日前=
「マユミさん、5番、ご指名です。」
フロア担当の伊藤が由麻に耳打ちした。
「すいません。 ちょっと行って来ます。」
由麻は残念そうな顔を作って左手のサラリーマンの手をポンと打って立ち上がった。
「えぇ、マユミちゃん、ボクを置いて行っちゃうのぉ。」
右手の客がマユミの背中に酔っぱらい独特の素っ頓狂な声を掛けた。
「ご免なさぁい。 すぐに戻りまぁす。」
笑顔だけ振り向けて、由麻はさっさと歩き出す。
5番テーブルに佐藤陽介と各務勲の姿を見つけて、由麻は手を振りながら駆け寄った。佐藤が各務との間を開けて、指し示す。
「おじゃまします。」
由麻は先についていた女の子二人ににこやかに挨拶しながら、開けられた場所に腰をおろした。
「待ったよぉ、マユミちゃん。 石北本線の上白滝駅で乗り過ごしたくらい待ったよ。」
佐藤がおどけて言う。
「なにそれ?」
「この駅は一日一本しか電車が止まらないんだ。 だから乗り過ごすと一日待たなきゃいけないのぉ。」
「凄いね、それ。 彼が俺はこの街を出て行くって行っちゃったら、後を追っても次の日になっちゃうんだ。 追っかけられないじゃん。」
「そうそう、でもきっと若い人が居ないから彼は80才だよ。」
「ヤダー、追っかけてあげない。」
「さ、一日待ってる間寂しいから、飲も飲も。」
各務が右手の女の子が作ったグラスを差し出した。
「今日もウィスキー飲んでるの? マユミ、金曜日はシャンパンの日なんだけどな。」
由麻は佐藤の膝をポンと叩いた。
「えー。 高いもん、シャンパン。 ボクらはしがないサラリーマンだから。 ウィスキーで我慢するの。 マユミちゃんは庶民派でしょ。」
佐藤はグラスを由麻の手に押しつけてきた。
「ヤダ、今日はシャンパンの気分なの。 可愛いマユミちゃんにシャンパンも飲ませられないなんて天下のIMSの看板が泣くよ。」
由麻は逆にグラスを佐藤に持たせた。
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☆ 愛故に自ら奴隷となった美少女の官能小説も書いています。
18歳以上の方は是非お読み下さい。「アンドロメダな朝」を最初から読む。