仕事柄、事業が継続中の企業の鑑定評価の依頼があります。


例えば温泉地ならば旅館、スーパー、ガソリンスタンド、ゴルフ場、病院などなど様々です。これらの価格を求めるとき基本となるのは、「どのような価格で実際に取引されるか」つまり市場なんですね。


旅館、スーパー、ガソリンスタンドなどは買う人は、必ずここでその事業をしたらどれだけ儲かるか、注目するのはこの1点だけです。だから「土地が〇〇円で建物が△△円」といくら言われても、1円も儲からない企業ならばその事業に対する投資はありません。


このような場合はゼロから別の事業をやり直す価格、つまり土地建物の合計から別の事業に見合うように建物を改装する費用を引いた価格、最悪の場合、土地価格から建物取り壊し費を引いた価格になります。


そうでない場合は、実際にその事業を行うことを想定して求められた儲け(純収益)の何年分(還元利回りで還元する)というようにして価格を求めます。


旅館にしても、スーパーにしても実際に買う人はズブの素人ではなくて、その事業を行うノウハウを持っているプロです。例えば金沢市で営業をやめたスーパーを別のスーパーチェーンが買い取って営業している事例が典型的です。


ただその道のプロがやってもだめな場所というのはあります。その場合は先ほどの1円も儲からない場合の価格です。


営業することを想定するのは、本当に難しいです。何せ不動産鑑定士は不動産の鑑定評価のプロであって、旅館経営、スーパー経営などではただの素人。だから専門家に相談したり、経営指標等をフル活用したり、とにかく四苦八苦します。でも評価書ができあがることには、その業界の経営にかなり詳しくなっていたりして、それはそれでやりがいのある仕事です。