のアーケードの下に戻る。そこから劇場へは僅か数分の距離だ。
「ひとつは、今飲んだコーヒーよ。どこかで飲んだ味だって思わない?」
美由紀が畳掛けるように言ってくる。
「えっ! どこかで???」
そう言われても、何も思いつかない源次郎である。
「そう、何日か前にも飲んだでしょう?」
「ええっ! ??????。」
「スワンよ。スワンのコーヒーなの???。」
「ス、スワンって???、あの?」
源次郎は、美由紀に連れて行かれた喫茶店を思い浮かべる。
そう、あのバレエを踊る女の子の写真が飾られていた店である。
(つづく)
第2話 夢は屯(たむろ)する (その1173)
「そう、間違いないわ。だって、私が仕入先に指定した店なんだもの。」
美由紀はそうチャンルー
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言って源次郎の顔を覗き込むようにする。
「そ、そうだったんですか???。い、いゃあ???、分かりませんでした。」
源次郎は正直に言う。
コーヒーの味が分からないことは、今更、美由紀には隠せない。
「でも、まさか、本当に私の企画書どおりにしてただなんて???。」
「そ、それだけ、美由紀さんの企画書がしっかりとしてたってことなんでしょうね。」
源次郎もそう思うしかない。
「それと???。」
「ん?」
「もうひとつ、ママに会ってみて、源ちゃん、感じることなかった?」
「ええっっ! か、感じることって???。」
源次郎は、何をどう言えば良いのかが分からない。
まさか、オカマらしいオカマさんですねとも言えないだろう。
「大阪の匂いがしなかった?」
「えっ! 大阪?」
「そう、あのママ、出身は確かにこの小樽なんだけれど???。
一時、大阪に暮らしてたのよ。そこで