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みなかったからだ。
第一、毛頭、そんなつもりはない。

「約束してくれたんでしょう?」
「ええっ! な、何を?」
「明日の朝までは、私のこと、山田美貴として扱ってくれるって???。」
そう言ってくる美由紀の双眸が、青白い外からの光を反射するように光った。


(つづく)




第2話 夢は屯(たむろ)する (その983)

「??????!」
源次郎は言葉が出なかった。
代わりに、喉がゴクリと鳴る。

(そ、そうだった???。)
源次郎は改めて思い出す。

別に、そう明確に約束をしたつもりはなかった。
ただ、美由紀が「私のことを美貴と呼んで」と言ったから、「はい、分かりました」と答えただけだ。
おまけに、「美由紀さんって呼ばないでね」と釘を刺された。
だから、単に呼び名を限定されたアグ
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だけと受け止めていた。

この辺りが、恋愛経験の無さ、男女の機微の疎さである。
この期に及んで、源次郎は自分の思い違いに気づかされる。


そうした源次郎の心理を読み取ったからなのだろう。
美由紀が改めてその取り付けた約束事項を持ち出してきた。

ただ、微妙に言葉のニュアンスが違っている。
今度は、「山田美貴として扱って」と言い出している。
そう、「美貴と呼んで」から「美貴として扱って」に変化したのだ。
いや、美由紀としたら、表現を少し変えただけなのだろう。
鈍感な源次郎にもちゃんと伝わるようにだ。

源次郎も、そこまで言われても気が付かない虚け者ではない。
だからこそ、美由紀の一言に喉を鳴らすだけになったのだ。


(う、うん???、分かった???。)
源次郎は、そう言うつもりで大きく2度頷いた。

「う、嬉しい???