いる方が危険です。嫌がる妻をなんとか促し家屋の入口へと進みます。
玄関の窓と言わず、各部屋の窓がすべて粉々に割れておりました。
窓の奥の暗闇が不安を掻き立てます。
するとその窓の向こうに人影が???ハッとしてライトを当てると、ボロボロの顔をした人間がこちらを向いています。
妻がびっくりして腰を抜かしてその場にうずくまりました。
「人形じゃよ。」
大久保翁が憐れむようにそう言いました。
そうなのです。この博物館は至る所に昔を忍ばせるマネキン人形が配備されているのです。囚人や裁判官など当時の服装をした人形がまるで生きているように佇んでいるのでございます。
「さっさと進め。」
背後の兵士が舌打ちしながらそう言うと、妻は恨めし気に振り返り睨みつけました。私は引きずるようにして前に進みます。
屋内は冷たいparker 5th
parker ペン
parker ボールペン
風こそ吹かないまでも腐ったような臭いが充満しております。
そんな中、ひとつひとつのドアを開き、すべての部屋を確認して回るのでございます。
部屋に入るたびにリアルな人形が私たちを待ち構えておりました。その都度、妻は悲鳴を押し殺しながらのけ反ります。
「クリア」
先頭の兵士が確認するたびにそんなことを言っておりました。
「フン、やはりここには何もいんかったの。」
大久保翁の皮肉と共に裁判所を出るのと時刻はもう0時。日付が変わって5月1日になっておりました。
「あのじゃじゃ馬の小娘のことじゃ、いるとしたら、もっと奥。五翼放射状平屋舎房じゃろ。」
「しかし、