第二十話 人怪その七
「エースコックのワンタンメンも好きやねんもいいですけれど」
「結構詳しいな」
「はい、好きですから」
やはりこう答えるのだった。
「インスタントラーメンそのものが」
「そうか。成程な」
牧村もそれを聞いて納得したように頷く。
「俺も嫌いではないがな」
「牧村さんもですか」
「真の美食というものはインスタントだ健康食品だとそうしたものにこだ
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これが牧村の持論であった。
「そうしたものにこだわるのはそもそも似非グルメだ」
「似非ですか」
「何の漫画だったか」
牧村の顔に嫌悪が微かにではあるが宿った。
「あの新聞社の記者と傲慢な芸術家の親子が好き勝手やる漫画か」
「ああ、あの漫画ね」
「あの漫画のことだね」
妖怪達もそれを聞いて牧村が何の漫画のことを言っているのかすぐにわかったのだった。彼等もかなり漫画好きだと言えた。
「あの漫画は何もわかってないから」
「結局あれだよ」
そうして忌々しげに言うのであった。
「自然食だけがいいんだよね。そればっかり」
「後出しジャンケンで絶対に勝つしね」
実によく呼んでいると見える。少なくともかなり知ってはいた。
「絶対にでかい企業負けるし」louis vuitton バッグ
「全然合理的な考えないしな」
はっきりと酷評していた。それもかなりのものである。
「あの漫画はあれなんだよ。野蛮人ばかり出るから」
「正直言って知識も何も滅茶苦茶だから」
酷評は何処までも続く。
「あんな漫画読んでたら本当にいいものは絶対に食べられないからさ」
「牧村さんもそれはわかってるんだね」
「やっぱりって思ったけれど」
「俺は野蛮人は嫌いだ」
牧村はその漫画の登場人物から批判した。
「あの漫画に出て来るのは品性も知性もない野蛮人ばかりだ」
「そうだね。確かに」
「言っていることも滅茶苦茶だし」
「美味いものは美味い」
牧村は妖怪達に応えてまた述べる。
「まずいものはまずい。それだけだ」
「別に自然食とかそういうのじゃないんだね」
「牧村さんはそういうの全然こだわらないんだ」
「何度も言うがそうしたことにこだわるのは似非だ」
牧村はこのことを何度も話すのだった。
「似非だ。それにだ」
「それに?」
「まだあるんだ」
「まずいものはまずいだけでいい」
こう言うのである。
「それで騒いで暴れるのは野蛮人だ」
「ああ、あの漫画の連中食べたものがまずいと絶対に暴れるよね」
「あれ物凄い野蛮だよね」
妖怪達の間でもそうした行為は嫌われるのであった。こうしたことまで考えると牧村にしろ妖怪達にしろそうした行為を明らかに嫌っていた。
「何であんなに野蛮なんだろうね」
「営業妨害じゃない」
「その通りだ。自分がまずいと言って他人もまずいと思うとは限らない」
牧村はこのこともわかっているのであった。それこそが牧村であるとも言えた。
「それを押し付けて暴れるのもやはり野蛮だ」
「やっぱりあれかな。原作者の品性かな」
「そうじゃないの?あれって」
「野蛮人が原作をすればその漫画も自然と野蛮になる」
牧村の辛辣な口調もまた珍しいものであった。
「ましてや食べ物を投げるなぞ言語道断だ」
「あの親父と巨人の星のあの親父は食べる資格ないんだ」
「そうなるよね」
「その通りだ。食べ物を粗末にするな」
このことを強く言うのであった。
「食べ物について何かを論じることはおろか食べることも許されない」
「そんな野蛮人ばかりの漫画なんだね。結局」
「とんでもない漫画だね」
「そう思う。だから俺はあの漫画が嫌いだ」
一言で言えばそうなのであった。