憎悪の塊が粉々に砕け散って、
残ったのは、
果てしない悲しみ。
そして脱力。
一つずつ捨ててきた。
結婚のために。
その結婚がそもそも存在しなかったのに。
オイオイ泣いた。
その脱力感が心地よくさえあって、
久しぶりに「眠って」、そして目が覚めた。
やっと、自分が絶望しきっていることに気づく。
体に力が入らない。
声が出ない。
涙がホロホロ出てくる。
今までは、ケンカしても別れ話になっても、
怒りが勝ってしまって、
涙さえ、出てこなかった。
気持ちいい涙。へんなの。
悲しくて何も考えられないのに、気持ちいい。
うっかりしていると、この絶望を忘れてしまいそうだから、
もう少し浸っていたい。
元気になろうとか、明るくしようとか、一ミリも思えないのに。
うっかりしてると、自然に明るくなりそうになる。変なの。