アイスさんからいただきました、

てちと理佐で、てちが倒れて理佐が看病する話が読みたいです。


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「はぁ、」

「どうしたの?」

私は眠気覚ましに、と買ったアイスコーヒーをストローでかき混ぜながら聞いた。

「いや、何でもないよ」

「ふぅん」

「はぁぁ、」

無意識なのか、先程よりも長めのため息。

その彼女の横顔は、どこか思いつめているようにも見えた。

「いや絶対何かあったでしょ。…てちのこと?」

彼女の肩がピクリと震える。

そして少し逡巡した後、意を決したようにして私の方に向き直った。

「名前を呼んでくれないの」

「は?」

「あったとしてもねぇねぇとか、ちょいちょいって袖引っ張られるくらい。ねぇ私あの子にどう思われてるんだろう」


いや、どう見ても好かれているだろう。

それに最近てちは理佐の話しかしない。

名前を呼ばないどころか話の殆どが、理佐がね、理佐がさぁ、から始まるのだ。

もしかして照れくさくて呼べないだけではないだろうか。

「確かめてみたらいいんじゃない?」

「え?」

「私の名前を呼んで、って言えばいいんだよ」

「そんな、ど直球なこと言えないわ…」

「それより気づいてる?あの子今日風邪っぽいの」

理佐はものすごい勢いで頷いた。

「だったら看病してあげる流れで聞いてみれば…って理佐?」

話し終わり、閉じていた目を開くともう目の前に理佐は居なかった。

「虹花、ありがとね!」

ドアに半分身体を挟ませながら彼女は私にブンブンと手を振り、猛スピードで部屋を飛び出した。

「大丈夫かなぁ。空回りしないといいけど」

カラン。

彼女がいなくなってシン、とした楽屋内にアイスコーヒーの氷の溶ける音が響き渡った。