「あー、てちこいい匂いする」

そう幸せそうにゆらゆらと揺れるねるに、私は平手がねるの腕に顔を埋めたままピクリともしないことに気づく。

「ねる、てち動いてないんだけど」

「えぇ?」

ねるが、腕の力を緩めて恐る恐るてちの様子を見てみると、どうやら眠っているようだった。

「良かったぁ」

ねるは安心したように、再び彼女を抱きしめる。

「すぴすぴ言ってるよ」

莉菜がてちの頬にかかる髪をそっと退けてあげながら言った。

「ねる、このまま寝かしちゃおうよ」

てちがかなり無理な体勢をとっていることに気づき私は言った。

「そうだね、」

名残惜しそうにねるがてちを床に横たわらせようとしたその時、

「ん、」

てちが離さないぞと言わんばかりにぎゅう、とねるの腕を掴んだ。

「えぇ、ねるちゃん良いなぁ」

ぼそりと莉菜が呟いた。

「あぁ、もう私だめだ。ずっと側にいよう」

ニコニコとしながらそう決心する彼女にどこか複雑な気分になった莉菜と私だった。