「ん、」
寝返りを打ったのと同時に目が覚め、ぱちぱちと瞬きを繰り返した。
辺りは真っ暗。
時計を見やるとまだ日付が変わって間もない頃だった。
こんなに早く目覚めてしまった自分を呪いながらむくり、と身体を起こすとどこか違和感を感じる。
ひたり、と自らの額に手を当てて私は全てを察知した。
どうやら熱があるようで身体中が熱い。
「あー、どうしよう」
明日は終日レッスンなのに、休めるわけがないではないか。
ごろごろとベッドの上で悩みに悩んで結論に辿り着いた。
風邪は寝るのが一番だと言うし、今からもう一度寝ればレッスンまでに治せるのではないか。
ということで、私は熱で重たい瞼を閉じてもう一度眠りにつくことにした。
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「ねえ、愛佳。もしかして私と同じこと考えてる?」
そうねるに尋ねられ私は先ほどから気になっている彼女から目を離さずに答えた。
「うん、多分。絶対体調悪いよね」
「体調悪いって、てちのこと?」
私たちの会話を聞いていたのか、莉菜が横から半分確信したように言った。
「やっぱりみんな気づいてたんだ。ねえ、ねる。熱あるか確かめてきてよ。私行ってもウザがれるだけだからさ」
「え、いいの?!」
「気づかれないようにね。あんまり浮かれてると莉菜に行ってもらうよ」
嫌だ、私が行く、と言い残しスキップするようにして彼女に近づくねるを半分呆れた目で私たち二人は見守ることにした。
しかし、流石は長濱ねるだ。
自然にするりと彼女の背後に回り込み、抱きついた。
「てーちこ」
「あぁ、ねる」
「今日元気無いね。どうしたの?」
「んー、ちょっと。お腹すいた」
「そうかー。じゃあ私のおやつあげるよ、ちょっと待ってて」
そう言ってちょこちょこと戻ってきたねるは、私たちに報告をし始める。
「お腹空いたから、って言ってたけどかなり体調悪そうだったよ。身体も熱いし。」
なるほど。抱きついたのは熱を測るためだったのか。
「ねえ、愛佳どうする?てちこのままじゃ倒れちゃうんじゃ、」
そう心配する莉菜に、ねるが余裕そうな顔で頷いた。
「ねえ、二人とも。私に良い考えがあるよ」
そしてねる発案のある方法で、私たちはてちを休ませてあげることにした。