金木犀の精、12てちは、前よりも眠っている時間が増えた。私は、てちの少しだけ痩せた頬を指でなぞるように撫でる。顔が青白い。このまま消えてしまうんじゃないかと思うと、怖くて離れられない。「状態が、前より悪くなっているらしいの。最近は安定していた方なんだけど、寒さが堪えたみたい。」ここのところ毎日来てくれる莉菜さんが教えてくれた。私はてちがいなくなることが、怖くてたまらない。私のそんな様子を感じ取ったのか、必死に明るく努めてくれる莉菜さんにまた心がちくりと痛んだ。