葉がすべて散り、完全に枯れ木になって、肌寒くなってきたある日。

「てち〜来たよ」

髪の長い、小柄で綺麗な女の人が私達の病室へとやって来た。

その綺麗なお姉さんを見た瞬間、てちの目がきらきらと輝いたのを私は見てしまった。

「莉菜!あ、ねるこの人私の先輩の、上村莉菜」

「この人って何よ〜あ、上村です。いつも平手がお世話になってます。」

「何それ〜なんかお母さんみたい」

これまで何度も言葉を交わしたことのあるような、とてもテンポの良い会話。てちの甘えるような声。今まで感じたことのないような気持ちになって、なんだか居ても立っても居られなくなる。

「上村さん、こんにちは。てちと相部屋の長濱ねるです。
あ、てち私これから検査なんだ!ちょっと行ってくるね」

とだけ伝え、私は逃げるように病室から抜け出した。