- 15章 ルーセラス -
紀元250年ごろのローマ帝国による迫害下で、死に至るまで忠実であり続けた聖徒たちの感動の物語。作者不明
時代・・・クリスチャン迫害のローマ帝国の時代
(クリスチャンになった)元近衛兵の将校・・・マーセラス
近衛兵の将校(マーセラスの親友)・・・ルーセラス
長老クリスチャン・・・ホノリウス
少年クリスチャン・・・ポリオ
地下墓所の殉教者 15章
― 正しい者の呼び名はほめたたえられ ―
(箴言10 章7節)
「灰壺を持って来い。」
黙ってルーセラスは、番兵の持って来た壺をとって、彼の発見出来る限りの人間のかけらを拾い集めて入れた。彼がそれをもって去ろうとした時、一人の老人が彼に話しかけた。
「わたしはホノリウス、クリスチャンの長老です。わたしの愛する友人が一人、今日この場所で殺されました。わたしはもしか彼の灰でも集められはせぬかと思ってやって来たのです。」
「わたしに話しかけてよかったです、尊いお方。」
とルーセラスは言った。
「前にもクリスチャンが死ぬのは見ました。しかし今日ほどクリスチャンの希望と信念に打たれた事はありませんでした。マーセラスはまるで死が言い表わすことの出来ない祝福であるかのように喜んで死にました。」
「ほんとに祝福であったのです。彼にとってばかりではなく、今わたし達が住むことを余儀なくされている陰気な場所に埋められているほかの多くの人々にとっても同じでした。わたしはマーセラスを彼らと一緒に埋めてやりたいんです。どうでしょうか、少し彼の残骸を分けていただけませんでしょうか?」
「彼の希望については疑う余地がありません。それを尊重しましょう。わたしの方の葬式による栄誉をあきらめます。どうぞ持っていって下さい、ホノリウス。しかし、わたしもあなたがたの式に参加したいと思います。あなたは、あなたがたの敵として知れ渡っている男が、あなたがたの隠れ家に行ってあなたがたの式を見学するのを許してくれますか?」
次の日に彼は使者と一緒に地下墓所に行った。そこで彼はクリスチャンの社会を見、彼らの住み家を観察した。しかし彼は彼の友人との会話で彼らの生活、艱難、そして苦労についてはすでに良く知っていた。
ホノリウスが大事な巻物、命の書をとり出した。その与える約束は最も重い悲嘆の重荷の中にあっていつも語り継がれたほど力強いものであった。そして彼はコリント人への手紙第一のあの部分、いついかなる時にあっても、またどんな国でも聞くものの心にとって、よみがえりの希望による慰めを時の観念を超えて求める心を起こさせるほど愛すべき部分を読んだ。そして彼は頭をあげ、熱のこもった声で、そのよみがえりによって死と墓とを征服し、永遠の命を勝ちとった神と人との間の唯一の仲保者キリストを通じて、天にあるきよい唯一の神に祈りを捧げた。
幾年かが過ぎ去った。ル-セラスは変わらなかった。ホノリウスが地下墓所から出て来た時、ルーセラスは彼を自分の屋敷に引きとって、残りの生涯をそこで過ごさせた。ホノリウスはこの尊い慈善家に対しての彼の感謝の負債を支払う方法として、真理であるイエスを知らせようとした。しかし彼はこの希望を満たされずに死んだ。
祝福は遂に与えられた。けれども、ずっと後になってからである。壮年もずっと過ぎて老年と呼ばれ始める年令になった頃、救い主イエスはルーセラスを見つけた。それよりまえ幾年もの間、ルーセラスにとってこの世は全くつまらなかった。富も、名誉も、権力も、彼にとっては空虚なものに過ぎなかった。彼の生活は悲しみで色どられ、何物もそれをいやすことが出来なかった。しかし神の聖霊は遂に彼を捕えた。そしてその神からの力によって、あの救い主の愛の中に喜びを見いだすことが出来るようになった。救い主の権能が人の心に及ぼす働きについては、彼はその時までにもう非常に数多くの驚くべき証しを目撃していたのだが……
低くされ、さげすまれ、追われ、苦しんだ彼らの名声は、歴史の本には書かれてはいないかも知れない。しかし、わたし達は少なくとも彼らの名前が「いのちの書」(ヨハネの黙示録21 章27 節)に記されていることを知っている。そして彼らと共に将来友情を結ぶのは、次のように書かれている人であることを知っている。
彼らは、大きな患難から抜け出て来た者たちで、
その衣を小羊の血で洗って、白くしたのです。
だから彼らは神の御座の前にいて、
聖所で昼も夜も、神に仕えているのです。
そして、御座に着いておられる方も、
彼らの上に幕屋を張られるのです。
彼らはもはや、飢えることもなく、
渇くこともなく、
太陽もどんな炎熱も彼らを打つことはありません。
なぜなら、御座の正面におられる小羊が、彼らの牧者となり、
いのちの水の泉に導いてくださるからです。
また、神は彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださるのです。
(ヨハネの黙示録7章14~17 節)
※ 是非、引き続きブログテーマ「殉教のクリスチャン」をお読みください。
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神の御子イエス・キリストは、罪深い人間の身代わりに、十字架で死なれ、死の力を打ち破ってご復活されたまことの神、救い主なる御方です。
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イグアスの滝(自分で撮った写真です。)悪魔の喉笛です。
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