tree11. 痛風① 痛風ってどんな病気?
字のごとく、風があたっただけでも痛い病気、「痛風」。これは飽食時代の病気といわれ、1960年代以降から急増している病気です。現在、成人男性の5人に1人は尿酸値が7以上の、痛風予備軍といわれています。今回はこの「痛風」について紹介します。
まず、痛風とはどんな病気なのかお話します。
典型的な症状としては、ある日突然、足の親ゆびの付け根の関節が赤く腫れて激痛がはしります。この痛みは、ペンチで思いっきりはさんだような強烈なものです。これを痛風発作と呼びますが、だいたい1週間ぐらいたつと次第に治まって、しばらくすると全く症状がなくなります。ただし、半年から1年たつとまた同じような発作がおこります。それを繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れはじめ(痛風結節)、発作の間隔が次第に短くなってきます。このころになると、関節の症状だけでなく、腎臓などの内臓が侵されるようになってきます。
どうしてこんな痛みが起こるかというと、血液中に「尿酸」という物質が過剰にたまり、針状の結晶となっていろんな場所に沈着します。この結晶に対して、からだの防御機構である白血球が反応し、攻撃する時に激しい痛みが起こるのです。
痛みの起こる場所は、約70%が足の親指の付け根です。それ以外には、ひじやひざ、かかと、足の親指以外の関節、くるぶしなどで起こります。最初の発作では、約90%が足の指の関節周辺で起こると言われています。
では、この痛風の原因である「尿酸」とはいったいどんなものなのでしょうか。
からだの細胞の中に、細胞の核を構成する「核酸」という物質があります。これを構成する物質を「プリン体」といいます。
このプリン体は、核酸の原料だけではなく、エネルギーを発生させるATP(アデノシン三リン酸)の原料となります。この核酸やATPといった生体エネルギー物質が体内で分解されると、このプリン体からヒポキサンチンという物質を経て、尿酸となります。つまり、尿酸とは、からだの細胞の老廃物ってわけです。この老廃物が増えすぎると、痛風になってしまうのです。
健康な人の体内には、1200mgもの尿酸が「尿酸プール」という形で常時蓄積されています。この尿酸プールが何の役に立つかはまだ不明ですが、一説には尿酸が癌や老化の原因となる「活性酸素」を消す働きがあるからではないか、と言われています。
このうち、半分以上の尿酸が毎日入れ替わっています。排泄される尿酸のうち、4分の3は尿として、残りは汗や便として排泄されます。しかし、この排泄がうまくいかなくなるとバランスが崩れてしまい、尿酸が体内に過剰にたまってしまうのです。
尿酸値の基準値は、7.0mg/dl以下です。
男性で4.0~6.5mg/dl、女性で3.0~5.0mg/dl が正常といわれています。
男女ともに、7.0mg/dlを超えると「高尿酸血症」とよばれます。この高尿酸血症の状態が長く続くと、痛風になってしまいます。
今回はここまでとします。次回は、尿酸値の上がりやすいタイプについて紹介します。