tree.6 高脂血症③ 高脂血症の食事療法
検診でよく相談を受けるのが、この高脂血症の食事療法です。脂肪分を控えめに、食物繊維を多めにとるのが基本ですが、一言にそういっても、いろいろ気をつけることがあります。
まず、脂肪酸には大きく次の3つに分かれます。
①飽和脂肪酸…肉・バター・パーム油(植物油の一種)などに多く含まれます。摂りすぎると、肝臓でコレステロールの形成が促進され、悪玉コレステロールを増やしてしまいます。
②多価不飽和脂肪酸…リノール酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が代表。リノール酸はサフラワー・サラダ油などの多くの植物油や、ごま・松の実などの種実に含まれます。EPAはすじこ、はまち、いわしなどに含まれます。DHAは本マグロ脂身、まだい、ぶりなどに含まれます。悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化の原因となる血栓の生成を防ぎます。でも、リノール酸を摂りすぎると、悪玉だけでなく、善玉コレステロールまで減らしてしまうと言われています。
③一価不飽和脂肪酸…オレイン酸が代表。オリーブ油やサラダ油、ヘーゼルナッツなどに多く含まれています。多価不飽和脂肪酸と同様、悪玉コレステロールを減らしますが、善玉は減らさない、という報告もあり、最近注目をあびています。
コレステロールが高い方は、オレイン酸を含む油で調理してみてはいかがでしょうか。もちろん、だからといって摂りすぎはいけません。
飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸は1:1.5:1の割合で摂取することが望ましい、といわれています。
では、コレステロールが高い人の具体的な食事療法を紹介していきます。
コレステロールは、1日に300mg以下に抑えたいものです。
まず、以下のような食品にコレステロールが多く含まれています。
食品名
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1食あたりの使用量
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コレステロール量
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| 卵黄 | 約22g(1個分) | 286mg
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| 子持ちシシャモ(輸入) | 50g(3~4匹分) | 170mg
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| いか刺し身 | 50g | 150mg
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| するめいか | 25g(1/4枚程度) | 245mg
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| 車えび(養殖) | 50g(約1匹分) | 95mg
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| うなぎ | 50g | 120mg
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| しらす干し | 5g(大さじ1杯程度) | 12.5mg
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| 鶏レバー | 50g
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185mg
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| 若鶏もも肉(皮付き) | 50g
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47.5mg
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| たらこ | 15g
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51mg
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| すじこ | 15g
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76.5mg
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| バター | 10g
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21mg
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| マヨネーズ | 10g
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20mg
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| カステラ | 50g
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95mg
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卵は料理によく使われるもので、ついつい摂りすぎてしまうのですが、コレステロールを多く含む食品です。でも、卵は良質のたんぱく質やビタミンA、B2が豊富なので、やっぱり摂取しておきたいものです。コレステロールの高い方は、1~2日に1個ぐらいがいいでしょう。
想像はつくと思いますが、バター・マヨネーズやドレッシングもコレステロールが多いです。なるべくこのような調味料は控えましょう。
上記で紹介したように、魚類に含まれる脂肪酸はコレステロールを減らす働きがあるので、1週に3~4回は魚メインの食事にしてみましょう。
野菜に含まれるビタミンやミネラルは、血管の老化を防いだり、動脈硬化の予防につながります。海藻類やきのこ類に含まれる食物繊維は、腸内でコレステロールや中性脂肪・糖質を吸着して一緒に排泄させる働きがあります。これらを多く摂るようにしましょう。(一日の野菜摂取量は300gです)
腎臓に病気のある方以外は、しっかりたんぱく質を摂るようにしましょう。特に大豆製品がおすすめです。コレステロールを下げる働きがあることが、動物実験で言われています。
そしてもちろん、糖分の摂りすぎにも注意しましょう。糖質は中性脂肪を増やします。糖分と脂肪分をもとに肝臓でコレステロールを生成するので、コレステロールの上昇につながります。
前々回に、善玉コレステロールの低い低HDL血症についてお話しましたが、善玉コレステロールが低い場合の食生活はどうすればいいのか、これも質問をうけることがあります。
上記で紹介した、一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸を含むいわしなどの青魚、オリーブ油を使った料理、またオレイン酸を含むアボガドなどがおすすめです。また、適量のアルコールも善玉を増やすといわれています。
どうしても肉類が多くなってしまう方は、しゃぶしゃぶや網焼きなど、なるべく脂肪をおとす調理法にしてみてください。
以上のことに気をつけて、ふだんの食生活から改善していくことが大切です。
今回はここまでにします。次回は、高脂血症についてのいろんなトピックスについて紹介します。