tree 3. 骨粗しょう症の予防と対策
今回は、骨粗しょう症の予防についてお話しします。
わたしの診ている患者さんの中には、ちょっとしたことで骨折しやすかったり、背骨や腰骨の痛みをず~っと抱えている人も少なくないです。
レントゲンをとると、やっぱり骨はスカスカ…。
さてさて、この骨粗しょう症ですが、お年寄りの病気と思われがちですが、実は若い人ほど気にしてもらいたい病気なのです!!
個人差はありますが、骨量は10代後半にピークを迎えます。このときの骨量が多い人ほど、骨粗しょう症になりにくいと言われています。
逆に、このときの骨量が少ないと、その時点で骨粗しょう症の予備軍になってしまうのです。
この10代後半の時期に拒食症にまで至った場合、その後体重が増えてきても、骨量は減少し続けたという例もあるので、この時期のダイエットは注意が必要です。
そもそも、骨をつくるカルシウムは、日本人にとって唯一不足している栄養素です。
厚生省が定めたカルシウムの1日所要量は、30才以上の男女では 600mgです(妊婦900mg、授乳婦1100mg、成長期男900mg・女700mg)。
ところが、日本人のカルシウム摂取量は平均約570mgと不足しており、とくに20代女性に少ないそうです。
1998年「骨粗しょう症治療ガイドライン」では、骨の健康維持のためには800mg必要といわれています。
数字だけではピンとこないと思うので、食品中のカルシウム含有量の表を載せました(デカっ…)。
| 食品名 | 100g中含有量 (mg) | 食品名 | 100g中含有量 (mg) |
| いわし丸干し | 1400 | 木綿豆腐 | 120 |
| わかさぎ | 750 | 納豆 | 90 |
| 煮干し | 2200 | 練り豆腐 | 590 |
| シラス干し | 530 | 牛乳 | 100 |
| 小松菜 | 290 | 脱脂粉乳 | 1100 |
| 切干大根 | 470 | 無糖練乳 | 270 |
| ひじき | 1400 | プロセスチーズ | 630 |
| ヨーグルト | 110 |
ではどうして日本人はカルシウムが足りないのでしょう?
それは、次のようなことがいわれています。
a.欧米に比べてカルシウムを乳製品よりも野菜・海草・魚介類からとっており、これらはカルシウム吸収率が乳製品よりも低い。
カルシウム吸収率…牛乳53%、小魚38%、野菜18%
b.日本の土壌はヨーロッパに比べてカルシウム含有率が低いので、日本でつくられる野菜の中のカルシウムが低い。
というわけで、日本人は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を意識的に摂る必要があるわけです。
でも、カルシウムを摂るだけでは、骨粗しょう症の予防には弱いのです。
カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」を摂ることや、たんぱく質を摂ること、またカルシウム吸収を抑制する「リン」を摂り過ぎないようにすること、なども必要です。
食事以外にも、カルシウムの調節に影響するものがあります。
A.年齢…女性は45歳ごろから、男性は60歳ごろから腸管でのカルシウム吸収率が低下します。
B.ホルモン…副甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD3、カルシトニンにより、カルシウム濃度を調節します。
C.閉経…骨吸収の抑制作用のある女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下するので、閉経後は骨量が減少しやすくなります。
D.遺伝
E.精神的・肉体的ストレスが、カルシウムの吸収を低下させるといわれています。
まだまだあるのですが、とりあえずこんなところにしておきます。
骨粗しょう症予防対策としては、
①小さいころからバランスよく、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂る。
②成長期に過激なダイエットはしない!!カルシウムをきちんと摂る。
③運動する。とくに垂直運動がよい(なわとび、バスケットボール、バレーボールなど)。
④女性は閉経後、とくにカルシウムの摂取に気をつける。
⑤適度な日光照射で、体内にビタミンDをつくる。
といったところです。
閉経後の女性に骨粗しょう症のリスクが多いためか、骨粗しょう症は、とかく女性に多いと考えられがちですね。
ところが、実は男性の骨粗しょう症のほうが、女性よりも重症度が高く、骨折率も高い、との報告が、米国骨代謝学会で発表されています。
男性のかた、ぜひぜひ予防策を!!