tree 2. まだまだ不明な新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病
これは時事日記でも紹介しましたが、米国からの牛肉輸入再開についてが話題となっています。
牛海綿状脳症が、新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の原因であろうことが近年解明され、世界中で研究が進められています。
今回は、この新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病についてお話します。
イギリスを発端とし、BSE(牛海綿状脳症)に感染した牛を食べると、新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病となることがあり、これが話題となっていますね。
さて、この病気にかかるとどんな経過をたどるでしょうか。
抑うつ、不安症、自閉などの精神症状から始まり、視覚異常や歩行障害を起こし、痴呆が数ヶ月以内に急速に進行します。また、けいれん発作を起こします。
発症してから半年以内に自分で動くことができなくなり、寝たきりの状態になります。
発症後1~2年以内で全身衰弱、呼吸マヒ、肺炎などで死亡します。
残念ながら、治療法はありません。
つまり、かかったが最後、助からない病気なのです。
現在のところ、感染した牛を食べないことしか、予防する手段はありません。
牛肉は、わたしたちの食生活の中で、とっても人気のある食べ物。
それだけに、世界中で、もちろん日本でも、牛の食肉処理に力を入れてます。
肉骨粉をエサとして与えないのは、もう有名ですね。
BSE発生国からの牛肉の輸入は禁止しています。
また、病因といわれる異常プリオン蛋白が蓄積する部分を、牛から焼却処理しています。
さて、その特定部位はどこか知ってますか?
頭部(舌、頬肉は除く)、せき髄、回腸遠位部(盲腸接続から2m)と、せき柱です。
最近では、坐骨神経やけい骨神経などの末梢神経や、副腎からも微量の異常プリオン蛋白がみつかったそうです。
ではこれで万全か、というとそうでもない。
牛のとさつや解体の際に、その特定部位から他の内臓に汚染したり、処理する器具から汚染したりすることもあるわけです。
しかもこの病気自体、不明なことが多く、感染ルートが全部わかってるわけではないんですね。
血液で感染するかどうかも不明なので、1980~1996年までイギリスに6ヶ月以上滞在した人からの献血は断っています。
まだまだ病態のつかめていない病気ですが、今年に入り、国際獣疫事務局(OIE)は
「特定危険部位を取り除いた骨なし牛肉については、どのような輸入条件も要求すべきでない」
として、牛肉の貿易条件の緩和をすすめています。
今のとこ拘束力はないけど、そのうちこれが統一基準のような扱いになっていくのでしょう。
そして、日米の牛肉貿易が話題となっています。
アメリカは、牛肉貿易緩和をしないと何らかの報復をするそうな…。
牛の場合、ほんの一粒のコショウぐらいの病原体を摂取しただけでも感染するみたいだけど、ヒトはどうなんでしょうね。
安全性に敏感になるのは当然だと思いますが…。