現役で、いつも身近に置いて気の向くままに適当に弾いている、便利なSoul Alone製のヘッドレスギターを紹介しよう。
このギターはコンパクト(フルスケールネック)で場所を取らないため重宝している。また、満員電車でもテニスラケットと間違えられる程度の大きさのため、移動も楽勝、スタジオ等の待合や自動車の中でも練習しやすい。
以前はスタインバーガーを2種類(弁当箱タイプとニューバーグモデル)を使っていたが、ブティックギターに興味が移ったため、処分してしまった。スタインバーガーのそれ以降のモデルは見た目は同じだが、以前のものに比べるとネックの形状は違うし処理の質が落ち、似て非なるものであった。
また、中古市場のものは質にばらつきがあったため、いいのが現れたら買おうと思っていたが、スタインバーガーが倒産した直後、スタインバーガーが日本の市場から消えてしまった。
その後、自分の求めるヘッドレスは市販品では無理と考えオーダーしかないという結論にいたった。そこで、Soul Aloneを選んだのは、トラベラージョイントがあったからだ。
まずは、正面全体の写真。
Soul Aloneのオーダーは遠方だったため、詳細のやり取りは全て写真付きメールで行った。
非常に細かい部分まで仕様の選択肢を与えてもらえるため、満足のいくかたちにはなるだろう。
今回のオーダーの特別仕様としては、
・フレットは細目で背の高いもの(番手や材質は忘れた)
・ポジションマークのターコイズは標準価格で選択できる。ただし、クラインや最近オーダーしたソルアネモではポジションマークなしだったが、実際に演奏してみると、装飾目的以外はポジションマークは必要ないと思っている。ネックサイドのドットだけでいい。
・ネックを21フレットにしたのは、トラベラージョイントを外して、ネックと本体に分けたときになるべくネックを短くしたかったからだ。このおかげで、何度もビジネスバックやリュックに入れて、旅行や出張に持って行き、宿泊先のホテルで練習できた。
このギターを作った目的はどこにでも持ち運べて、タフに使っても問題なしという設定だ。
・ボディはマホガニーで中空になるようにザグリをいれ、トップにシトカスプルースを使用。
結構重いのでもっとザグリを入れてほしかった。カービンのアランホールズワースモデルはネック側が下がってしまうほど本体側は軽い。
マホガニーには重いものと軽いものがあり、高級ギターほど軽いマホガニーを使うようだ。ソルアネモやESPのホライズンやポールリードスミスのホローボディはマホガニーでサイズが大きいが、SoulAloneのヘッドレスよりも軽い。
・ブリッジは当初スタインバーガーのSトレムを付けていたが、重たくてバランスが悪いため、タチコマギターにも使われているABM製のブリッジに交換した。
しかし、ABMもやめたほうがいい。ABMは据え付けが悪く、それぞれの弦のブリッジを近づけすぎると、つまみが干渉する。また、サドルに溝がないため弦の位置を決めるのが難しく、動いてしまい、その結果弦のテンションも低い。
お勧めは、strandbergのブリッジだ。
これがトラベラージョイント。
六角ボルトで2か所のボルトを外すことが出来る。
しっかり固定できるようにワッシャーを大きいものに交換した。
バイオリンシェイプにしたのは座って引くときに置きやすいから。女子がこの形を見るとかわいいと言う人が多い。
スタインバーガーが販売するフットレストのほうが位置が高くなるため弾きやすいかもしれないが、好みの問題だろう。
ボリュームトーンはライブ向けに、0と5の位置に印を付けた。
ピックアップはホールズワースやハードロック・メタルならリアに取付だろうが、色々なジャンルをしなければならないので、フロント優先。
最後に、オーダー価格は22万円程度で、非常に良心的な価格だ。
ギターの出来栄え(精度)としては普通レベルだと思う。
やはり、高級ギターや、35万円オーダー(ソルアネモ)と比較すると落ちるが、ガンガン持ち歩きタフに扱うのが目的なので、これでいいと思う。