僕は社会人になった。しかし心は憂鬱だった。
社会人になり、仕事に人生を捧げるからというより、僕の場合は自分が満足できる就活ができなかったせいで、母親の両親の知り合いでもある電設資材を取り扱う商社に入社したからだった。
とりあえず入社したからには頑張るかと思っていたが、もうこの頃から転職するために情報を集めていた。
僕の職場は、愛知県内で9つの営業所があり、名古屋市内の営業所で働くことになった。
この会社に入社したのは本意ではなかったが、3、4ヶ月たった頃には、職場の人たちとも仲良くなってきた。職場の人はいい人が多かった。
しかし、ここで僕の一番仲の良かった一つ上の先輩からある日こう言われた。
「同期に聞いたけどスロット打つの好きみたいだから一緒に行こう」
僕の同期にパチンコを教えてくれた友人も一緒の会社にいたからだ。
そこで話を聞いたのだろう。
僕は行くのは嫌だったが、先輩の誘いということもあり仕事終わりにパチ屋に同行した。
その人は普通にプロじゃないかと思うくらい立ち回りが上手な人だった。
その日は2人とも仕事終わりにも関わらず各々1500枚ぐらいプラスになった。
その帰り道、僕はすごい虚無感に襲われた。
我慢していたギャンブルに手を出してしまったと。
それから平日の仕事終わりには、パチ屋に行く日々が続いた。
仕事が終わるのが大体19時半過ぎでそこから2時間程Aタイプ中心で稼働するのがベースとなっていった。
もちろん彼女には内緒にしていたし、仕事についてのことは最低限のことしか話さなかったのでバレることもなかった。
しかし、平日だけの稼働ではままならず、彼女と予定がない日は休日にも朝からパチ屋に稼働しに行く日々が始まってしまった。
こうして僕は、入社して半年程経過してからまたギャンブルの魔物に取り憑かれてしまった。