学生のとき、料亭旅館と呼ばれるところでバイトしてたことがありました![]()
その旅館では、一応「まかない」が出るんです。
食べる場所は、旅館の地下の厨房のとなりの部屋。
大鍋に適当な惣菜が大量に作られていて、私たちは好きなだけ食べることができました。
ただし、それが口に合わなければ、その日は食事抜きになりますが![]()
いつものように、私が「まかない」を食べていると、その旅館の仲居(←これで合ってますか)さんが、お客さんの残り物をもって、その部屋にやって来ました![]()
料亭なので、高価な食材が使われた料理がお客さんには提供されるんですけど、だいだいのお客さんは、商談とか、お見合いとかなんで、手付かずのことも多いんです。
その仲居さんは、「キャビア
キャビア
」と言ってはしゃいでいました。
そう、あの高級食材「キャビア」が手付かずのまま下げられ、仲居さんは、その「キャビア」をゲットしたのです![]()
しかし、私も、「キャビア
」の声に反応してしまい、その「キャビア」を見つめてしまいました![]()
仲居さんは、私に気遣って、「食べてみる
」と言ってくれました。
でも、あまりにはしゃいでいる仲居さんのご馳走を、私が横取りするわけにはいきません。
「いえ、僕は、キャビアいらないです」と言っておきました![]()
今でこそ、結婚式やらなんやらで、「キャビア」を食べますが、学生の私には、「キャビア」は雲の上の高級食材![]()
私は、涙を飲んで「キャビア」を我慢しました。
というか、そもそも食べる権利なんかないんですけど![]()
後日、私は、このときの話を友人にしました。
雲の上の高級食品「キャビア」を、初めて食べられる機会を逃したのが余りにも残念だったので。
すると、友人は私に言いました。
「そのキャビア、本当に本物やったんか。日本食の店で出すキャビアなんか、本物かどうかわからへんで。」
私は、答えました。
「食べられへんかったから、本物かどうか、わからへんかった」
これを聞いて、なんと、友人は、私に、
「食べたら、分かるんか
」
(標準語訳 「もしも食べていたら、そのキャビアが本物かどうか判断できたのか」)
との御言葉を吐き捨てて下さいました。
う~ん、確かに分からなかった。。。
今、私は、いい年の大人なんで、「キャビア」かどうかは食べれば分かります![]()
しかし、考えてみると、大人なら知っているはずや、できるはずの常識的な事柄を、必ずしも知っていたり、できたりするとは限らないですよね
(と、同意を求めてみる)
高級ホテルでも、おどおどしない。
後輩よりも素晴らしい仕事をする。
レストランでの会計は、テーブルで。
英語くらい話せる。Newsweekくらい読める。
目上の人のビールグラスを空にしない。
気分が悪くても笑顔で挨拶する。
「大人ならできるべきこと」
私には、できないことが、まだまだ多いです![]()