ネコ好きの幼馴染によれば、「ネコは人間の言葉がわかる」そうかお

 しかし、獣医の兄によれば、「そんなことはない」そうシラー



 私が子供の頃。


 

 雨の日、家の裏の路地で、ネコの鳴声を聞きました。

 鳴声の方に近づくと、ひとつの段ボール箱が。


 

 中を見ると、生まれたばかりの五人の子供ネコがいた。

 こんな雨の日に、子供のネコを捨てるなんて。



 私は、何も考えずにその段ボール箱を家に持ち帰りました。

 このままでは、子供ネコたちが死んでしまうと思って。



 家に帰って、子供ネコたちの体を拭き、ミルクを皿に入れて差し出しますが、この子たちは全く飲もうとしません。

 幼すぎて皿のミルクを自分で飲めないのです。



 いったい、どうすれば。。。


 

 次の日、段ボール箱の中の子供ネコたちを見ると、一人まったく動いていません。

 哀しいことに、この子は死んでしまっていました。



 このままでは、他の子達も皆死んでしまう。。。

 


 困った私は、考えたあげく、文具屋でスポイドを買ってきて、子供ネコたちの口を開け、軽く暖めたミルクを流し込む。

 すると、彼らは、ミルクをごくごくと飲みはじめた。



 よかった。。。



 このとき、私は、この子供たちを育てていこうと決めました。

 私が育てないと、この子供たちは生きて行けない。



 

 数日後、学校から帰ってくると、縁側に置いてある段ボール箱の中に、子供たちはいませんでした。


 母に尋ねると、「母ネコがやってきて連れて帰った」という。

 なんと、一度に四人ともを口で咥えて、連れて行ったらしい。



 私は安心しました。

 雨から守り、スポイドでミルクを飲ませたのが彼らを救ったと。

 母ネコの元に返すことができたと。


 


 しかし、母ネコは、次の日も、その次の日もやってきす。

 あと一人の自分の子供を迎えに来ているのです。



 何日も何日も、母ネコは、ずっと、うちの庭にやってきました。

 


 母は、この母ネコを見ていたたまれなくなり、母ネコに言ったそうです。



 「本当にごめんなさい。うちに来てからずっとミルクをあげてたけど、一人だけ、ミルクを飲めなかった。あの子は、もういないよ。ごめんなさい」


 

 この日の後、母ネコは、子供を迎えに来なくなりました。


 


 この昔の話を、ネコ好きの幼馴染にしたところ、

 「母親同士だから心が通じ合った」そう。

  

 しかし、獣医の兄によれば、「そんなことはない」 そう。