昨日は、「さいたま市民会館おおみや オープニング記念コンサート」を聴きに行ってきました。

 

大宮駅前の大通り沿いに出来た新しいビルに「さいたま市民会館おおみや」が入居し、その最上階にコンサートホール「レイボックホール」がオープンした記念のコンサートです。

 

実は、事前にちゃんと場所をチェックせず、Googleマップで「レイボックホール」と検索したら、旧「大宮市民会館」がヒットし、そこまで歩いて行って初めて間違えたことに気づきました。

旧館はちょっと駅から離れているんです。

時間に余裕を持って出かけたので、開始時刻にはぎりぎり間に合いました。

 

「レイボック」(Raiboc)というのは、どこかの企業の名前でネーミングライツで決まったのかと思ったら「大宮地区を象徴する三つの文化、鉄道(Railway)、盆栽(Bonsai)、漫画(Cartoon)からの造語。」だそうです。

この「鉄道」「盆栽」「漫画」というのは、なかなかローカルな切り口ですね。他県の人には(どころか、埼玉の他の市の人でも)さっぱりわからないでしょうね。

 

このビル、まだ開業していなくて、下からエスカレーターで7階まで上がったのですが、ほとんどのフロアがまだ準備中でした。

 

さすがにホールは美しくて上品です。

 

私の席はC列ということで前から3列目。ちょっと前過ぎたかなという場所でしたが、左側だったので、演奏しているところがよく見える位置でした。

 

ピアノの下側の塗装していない部分が見えたのですが、さすがに新らしい木の色がキレイでした。

 

さて、いよいよ小山実稚恵の登場です。

 

クラシックのコンサートでは珍しいですが、最初にマイクを持って挨拶がありました。

 

なんと、高校3年から10年間、大宮に住んでいたとか。また、ホールのピアノの選定をしたのも彼女だそうです。

 

プログラムは以下の通り。

 

○ シューベルト 
 即興曲D935 作品142-2 変イ長調 
 即興曲D935 作品142-3 変ロ長調 
 即興曲D899作品 90-2 変ホ長調 
○ベートーヴェン 
 ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110

 

シューベルトは、やはりピアノ曲であっても「歌」ですね。どれもとても美しい。

1曲めの最初の4小節の出だしで、あまりの美しさにうっとりしてしまいます。

さすが、小山実稚恵。

 

ベートーベンのピアノ曲は、名前が付いている「熱情」「悲愴」「月光」は馴染みがありますが、この曲は初めて聴きました。

ベートーベンはシューべルトとは逆にピアノ曲であっても交響曲のような「構築物」の感じがします。

やっぱり、ベートーベンは緻密に構築されたシンフォニーがいいなあ。

 

休憩を挟んで、後半は
○ショパン 
 ノクターン第13番ハ短調作品48-1
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22
 ピアノ協奏曲第2番 作品21より第2楽章「ラルゲット」 
 ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53「英雄」 

 

やっぱり、ショパンはいいですね。

どれもピアノのためだけに作られていることがよくわかります。

演奏している手の動きがとてもよくわかる席だったので、耳に入ってくる音は優雅なのに、その音を紡ぎ出している手では実に難解なことをやっているのがよくわかります。

 

こんな言い方をしては失礼ですが、「小山実稚恵にハズレは無い」

 

今回、会場の拍手のタイミングが不思議でした。

 

最初のシューベルトの3曲。私は、1曲ずつ拍手したくて仕方なかったのですが、誰もしないので我慢。

次はソナタなので、3楽章全部が終わってから。ここは普通。

 

次のショパンのプログラムはノクターンでは拍手無し、次の「アンダンテ~~~」で拍手。

「ラルゲット」は拍手無しでそのまま「英雄ポロネーズ」へ。

 

「ジャジャーン!」って、はっきり終わらないと拍手しないのかな?

 

アンコールは2曲もやってくれました。
 

○ショパン
 ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2
○シューマン
 アラベスク ハ長調 Op.18

 

ピアノの良さを堪能させてくれる美しい演奏でした。