昨日は、「東京・春・音楽祭」の「東京春祭チェンバーオーケストラ」の公演を聴きに上野の東京文化会館に行ってきました。

 

 

一昨年、昨年とコロナで大幅な規模縮小を余儀なくされ、私もチケットを買ったものの公演中止に遭ってしまいました。

 

今年はなんとか開催できたようです。

 

この催しは、一ヶ月間にわたって上野を中心に開催されている大規模な音楽祭ですが、ビッグネームを集めるというよりも、より質の高い音楽を提供している印象があります。

 

昨日のプログラムは、モーツァルト3曲
 交響曲 第1番 変ホ長調 K.16 (1764~1765)
 ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K.271 《ジュノーム》(1777)

 交響曲 第40番 ト短調 K.550(1788)

 

メンバー

 ヴァイオリン:堀 正文、枝並千花、城戸かれん、城所素雅、武田桃子、戸原 直、外園萌香、宮川奈々、山内眞紀
 ヴィオラ:安藤裕子、岡 さおり、森野 開、山本 周
 チェロ:辻󠄀本 玲、中条誠一、宮坂拡志
 コントラバス:佐伯洋裕
 フルート:上野由恵
 オーボエ:蠣崎耕三、森枝繭子
 ファゴット:水谷上総、佐藤由起
 ホルン:阿部 麿、村中美菜

 

交響曲第1番はなんと8歳の時の作品なんですね!

 

バロック音楽の習作のような味わいですが、美しいです。これを8歳で書いていたとは!

管楽器は、オーボエとホルンだけ。

 

次のピアノ協奏曲第9番は21歳の時の作品。有名な曲らしいですが、私は初めてです。

これも軽快なモーツアルトらしい曲ですが、チャイコフスキーやラフマニノフのコンチェルトのようなピアニストが派手に活躍する場面は少なくて、あくまで全体のオーケストラのアンサンブルの中でのピアノ、という感じです。

ただ、カデンツァは、かなり自由度が高そうです。モーツアルト本人もよく演奏していたらしいです。

 

この後のアンコールで弾いた曲(何の曲かわからず)のほうが、「ピアノ!」って感じでした。

あまりモーツアルトっぽくなかったのですが、これも、モーツアルトだったんでしょうか?

(追記:春祭公式ページによるとシューベルトだったようです)

 

聴いたことがあるのは、最後の交響曲40番だけです。

モーツアルトの交響曲でちゃんと番号が付いているのは1番から41番まで。

40番が1788年の作品(32歳)

なんかしっくりこない言い方ですが、モーツアルトは35歳で亡くなっているので、「晩年」の作品です。

 

今回のプログラムは、時系列にモーツアルトの作品を並べて聴かせる、という意図があるようですね。

 

40番になって、フルートとファゴットが加わり、音に厚みが増して華やかになります。

「これぞ、モーツアルト!」

しかも、小ホールで小編成のオーケストラ。

それぞれの楽器の粒が揃っていて、美しい響きです。

 

世界はちっとも平和ではありませんが、上野の春で平和な気持ちにさせてくれるモーツアルトでした。