土砂降りの雨の中、聴雨居に向かう。
時間はもうすぐ午前0時うを刻もうとしている。
家人たちが寝静まった後、一人で聴雨居で聞くチルアウト・ミュージックは
その日にあった色々なことをきれいに洗い流してくれるような気がして
時々出向くのです。
視線の端に、何かが引っかかった。
庭にあるツツジの花びらだった。
激しい雨に打たれた熟れた花びらが地面にいくつも落ちている。
地面に妖しく横たわる姿は嫌いじゃない。
しばし、しゃがんでそれらを3つほど選び、聴雨居に持ち入った。
漆に縁取られ、中央部に薄い金属を張った鉄盆に上にはらはらと落としてみた。
こんな夜は、レコードにあえて針を落とさない。
雨音よりも心に響くレコードを知らない
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朝から、ずっと雨が降っている。
半ば強制的に外出を抑止される休日はきらいじゃない。
音楽を聴いたり、映画を観たり、文章を書いたり、惰眠を貪ったり・・・。
貧乏性の僕は、日ごろ出来そうで出来ないもろもろを思いつくままに楽しんだ。
日暮れ時、なんとなく庭に出て、目に付いたいくつかの草花を手に聴雨居に入った。
きちんとした花姿を見せるのは妻に任せるとして、僕は僕なりに花と楽しんでいきたい。
聴雨居は、花を売らずに楽しむ『花屋』だから。

