バイオダイナミック農法② (土壌の浄化) | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・バイオダイナミック農法②  (汚染された土壌の浄化)

 「バイオダイナミック農法を実践するということは、地球のお医者さんになるということだ」

 

 “スプーンで柔らかな牛糞をすくい上げては、しっかり持った牛の角の中に詰め込みながら、コートニーはメリーランド州カレッジパークで生命力学農法に始めて関心を持つようになった経緯(いきさつ)―― ビューティフル・デイ商会の本棚で、農業に関してルドルフ・シュタイナーが書いた目立たぬ本を偶然見つけたときのこと―― を話してくれた。それは、〈私のこの風変わりな農業調整剤の恩恵が全地球上の可能なかぎり広い地域で受け入れられるようになったときにのみ、大地は癒され、その産物の栄養質はふたたび健康によいものとなるであろう〉というシュタイナーの勧告であった。

 「多くの心霊学や神秘学は、農業のことは末梢的にしか語っていません」とヒューは天使のように優しい微笑を浮かべながら語った。「しかし、シュタイナーのこの本は、私がこれまで見た中で農業のことをすべて考え合わせている唯一の本だったのです。そこに含まれている意味が十分にわかったとき、私はその農業を普及するためにできることは何でもしようと決心したのです」。”

 

(ピーター・トムプキンズ+クリストファー・バード「土壌の神秘 ガイアを癒す人々」春秋社より)

 

 

 “(1987年2月20、21、22日 フランスにて) 昨年、チェルノブイリで惨事が起こり、大勢の人が電話をかけてきて、「どうしよう。バイオダイナミック農法を長年やって土壌改善をしてきた私達も、他の人たちと同じ次元に立ってしまった。私たちはすっかり汚染されてしまったのだよ。」と言いました。8日から10日後に、私たちは最初の試験、最初の測定をしました。しかし、畑や農地などにはほとんど放射能が見つかりませんでした。大変汚染された地域だったにもかかわらず、放射能はほとんどありませんでした。ヴィルマンさんの畑はシュツットガルトにあり、汚染のひどい地域でしたが、それでもサラダ用の葉野菜が収穫できました。しかし疑心暗鬼になっている消費者は、野菜を買ってくれませんでした。「大気にさらされて育つ野菜が、放射能に汚染されないなんてありえないことだ」と言うのです。ところが、なんと別の農場では、牛乳に汚染が検出されませんでした。普通のやり方で耕作している畑では大変強い放射能が検出されましたが、道または垣根をへだてただけで全く別の現象が起こったのです。何年間も熱心に「マリア・トゥーン調合牛糞」を使っていた場所では、大変わずかな数値しか示しませんでした。それどころか全くないところもありました。この調合牛糞を使うことで、農場は、さまざまなエーテルの作用が望むものを大いに強化したのです。それはどういう意味でしょうか。進化から退いてしまったヒエラルキー存在たちの使命を引き継いだ“自然の精”たちが、彼らにのしかかる“事件”のショックにもかかわらず、正しいやり方で行動し続けることができているということなのです。

 1958年という早い時期から、私たちは放射性廃棄物に関する実験を開始していました。ですから、昨年(1986年)人類が体験した衝撃を、私たちは当時(1958年)すでに受けていたのです。情報は一般には公開されず、いくつかの研究所が秘密を共有していました。当時すでに多くの植物にストロンチウム90が蓄積されていました。この物質は、カルシウム過程の均衡を失った植物の中に蓄積します。当時もっとも汚染されたバラ科植物や、セロリ、燕麦、トマトについて観察しました。花崗岩質の土壌で育った植物はストロンチウムも含有量が大変大きくなります。それに対して、堆積土壌の平野部では含有量がずっと少なく、さらに石灰質の土壌で育った植物はストロンチウムを含有していませんでした。

 まず手はじめに、砂地、珪酸質土壌から実験を開始し、次にさまざまな種類の石灰質を含む土壌の実験をしました。海の石灰分、樫の樹皮、アヒルと鶏の卵の殻、エスカルゴの殻、石灰岩、玄武岩などをすべて細かく砕きました。そして、それぞれを別々の区画に分けて植物を栽培して分析してみました。鶏卵の殻と玄武岩を加えた区画から、ストロンチウムは検出されませんでした。放射能が大変強いアメリカに住んでいたプァイファー博士も同じような実験をされていました。実験の結果から、放射能にさらされても、牛の角の中に放射能は浸透しないということが確信されました。ということは、牛角から生まれた500番と501番の調合剤は放射線にさらされていないということになります。

 私が当時心に抱いていた問いは次のようなものです。「鶏卵の殻と玄武岩の粉末を加えた土壌は放射能汚染を受けつけない事は、プァイファー博士と私達の実験から確かめられた。それならば、玄武岩とこの鶏卵の殻の要素を、農場有機体に、力を強化された形でもたらすには、どのようにしたらいいのか?」最初は、細かい粉末を牛の角に入れ……(中略)

 

 ……しばしば「調合牛糞」を散布すると放射能が除去されると言われますが、そういうことは言ってはいけませんし、私達はけっして言ったことはありません。しかし次のように言うことはできます。「放射能の破壊的な諸力に対抗する放射的諸力を生み出すために、この調合牛糞をぜひとも散布しなければなりません。」

 2年前からポーランドでバイオダイナミックの仕事が始まり、45人の農業者がバイオダイナミック農法で作業を開始しています。先週のゼミナールの時、最初のころからの農業者が何人か参加していました。彼らははじめから調合牛糞を使っていました。なんとたった2年で、彼らの土地では残存放射能は弱くなったと検査で証明されました。このゼミナールには170名参加し、ロシアの国境近く、チェルノブイリから西へ150キロのところで行われました。そこでの放射能はまだとても高く、粘膜がすぐにやられてしまいます。私のように西から来た参加者はみなそれを強く感じました。それでも、ここの農業者たちは既に2年も成果を挙げているのです。従って、この調合牛糞のおかげで手中にしている可能性を、私達は早急に自覚しなければなりません。”(マリア・トゥーン『核による汚染』より)

 

 

 “調合牛糞が開始された時から、すでに幾度となく調合牛糞の実験は行われてきていた。たとえば、牛糞だけの調合牛糞やシラカバのうろに調合牛糞を入れてみたりと、さまざまな試みがなされた。そして、1950年から60年代にかけてようやくマリア・トゥーンが卵の殻の粉と玄武岩の粉を加えることによって質の高い調合牛糞を作り出した。

 マリア・トゥーンによる調合牛糞の優れた点は、

 ・調合牛糞は4月から9月までずっと作ることができる。

 ・生成日数は、調合剤500番が6ヶ月かかるのに対して、調合牛糞は2ヶ月でできる。

 ・粘土腐食複合体という大変重要なプロセスと、玄武岩の使用による“若さ”のふるまいのプロセスを誘発する。

 ・放射能の有害な侵入、特に鶏卵の殻を使って、ストロンチウム90を固定させないよう土壌を防御の状態におく。

 その他にも、マリア・トゥーンの調合牛糞によって、最初の年から牛角に入れた調合剤(500番)を土壌に使用することができる。……(以下略)”(ピリオ・ドニー『マリア・トゥーンによる調合牛糞』より)

 

 

 “……バイオダイナミック農法の必要十分条件は何か。私は調合剤使用とか天文運行に基づく農作業といった具体的条件より、最も漠然とした条件を第一に考えている。つまり農場の一つ一つが自己完結した有機体であるべきだと私は思っている。……(以下略)”(佐藤公俊『バイオダイナミック農法の基礎は何か』より)

 

 (「天と地の間で 1997年春・夏号」バイオダイナミック出版会(ぽっこわぱ耕文舎)より)

 

*熊本の「ぽっこわぱ耕文舎」さんから、マリア・トゥーンの「バイオダイナミック農事暦」を日本の状況に合わせて作成し直した「種まきカレンダー」が、毎年発行されており(イザラ書房)、これはAmazonからも購入できます。また、ニューズレターなどで、この「調合牛糞」のつくり方は公開されています。