{4DFECF64-0236-493C-BAED-9CE9F6307F93:01}
青木  玉 ・ 吉岡  幸雄  著  「きもの暮らし」  PHP研究所

    青木氏の祖父は 幸田露伴、母は随筆家の幸田文。東京女子大学を 卒業し、母・ 文と共にキモノに 寄り添った東京生まれの随筆家。

    一方 、吉岡氏は江戸時代 からの染め屋に生まれ、早稲田大学を卒業後家業に従事。「染司 よしおか」の五代目を継承する、京都生まれの染色家。

{419FC7BD-EB6E-42F3-992F-16C01216D358:01}

    “日本は経済的には豊かになった。ところが、人間がこの地球上で生きていく、最も大切な「衣食住」に関心を払わなくなった。頭を使わなくなってきている。企業という大きな集団が、すべてを 既製品化してきたのである。日本という三日月形の細長い列島の自然や風土、その地方地方にある特性や 差異もまったく無視するかのように、そして日本人が培ってきた長い伝統もまた、消えていくものが多い 。」

    と吉岡氏が言えば・・・

    “きものを着ることを特別な人のすることではなく、洋服でするおしゃれと同じように考えるなら、着ることを楽しむ幅は随分拡がるだろうと思う。洋服のデザインは変化が激しくなかなか着続けることはできないが、自分の好みに合ったきものは長期間楽しめるし、時に世代を超えて着ることも可能である。」

    と幸田氏は語る。

{1D468BAF-E0FD-420D-B9B0-2D19CB342220:01}

    着る人と作る人という立場も違えば、生まれも戦前と戦後、東京と京都。

    一見すると、考え方も相反するように見える二人が、共通している「キモノへの情熱」をテーマに全編対談形式で繰り広げる、シナリオのような本。

    キモノの素晴らしさを次代に受け継ぐために、今何をするべきなのかについて考えさせられる一冊です。