世界史の授業を毎年毎日やってると、生徒の答えが毎時間のようにツボに入る!

 

この年齢で毎時間何かしら笑えるのって実はすごい幸せなことなんじゃないかと思い・・・💛

 

生徒の面白回答があったときにメモしておいて(何してるんだと我ながらw)、そこから授業ではこんな話をしましたよーみたいな話をすることで、面白話と世界史話で一石二鳥を目指していきたいと思います♪

 

さて表題。

 

「世界でさー、一番怒らせたら怖い人って誰だったっけ?」

(ちなみに1学期に同じ質問をしてる)

 

生徒A「資本家!」 

うち「うわー真面目」(世界史的にはすごくいい答えなのに、自分のレスポンスがひどい笑)

 

生徒B「兵士!!」

うち「んー・・まぁ怖いけどーでも兵士でもビビるかなー」

 

生徒C「大工!」

生徒D「漁師!!!」

 

うち「・・・なんでやねん

(ちなみに答えてるのは、模試で世界史100点近いような子たち笑)

 

生徒E「そっち系の人」

うち「そりゃ確かに怖い。けど!授業でそれを答えさせることはないかなー少なくとも世界史では笑」

 

そもそも、○○労働者の○○に入るのを聞いてるから、大工労働者ってなにだしw

てゆーか、資本家労働者って、マルクス主義者もびっくりしすぎるわww

ま、生徒はその○○に当てはめるという大前提をかんっぜんに無視してるわけだけと。

 

うち「いや、なんていうか、そーゆー視点じゃなくて、じゃなくて・・もっと現実的というか身近というか・・」

 

生徒D「わかっちゃったわ。●●先生」(ちなみに●●には私の名前)

 

うち「(`□ ´♯)」

(ちなみにこの答えは今日のほかのクラスでもw)

 

うち「でも今までで近い。その感じ。仕方ないなーじゃあヒント。1学期にさー、フランス革命のところでも同じ話したんだけど。フランス革命の初期に、ブチ切れてテュイルリー宮殿に突撃したのって・・」

 

みんな「あー!!」

 

みんな「お母さん!!!」

 

うち「そう!ってことで、怒らせたらヤバいのは、お母さんだったよね。なんで?」

 

みんな「食い物!!」

 

うち「そうそれ、なんだっけ」

 

生徒「パン!!でもさー、パンでキレるかなー」

 

うち「お、恵まれた時代に恵まれた国生まれの発言きたね。いいね―そのマリーアントワネットっぷり」

 

Let them eat cake ってな♪

 

☆☆☆

 

フランス革命のときの話だけど、当時、パンは民衆にとって物凄く・・というか一番関心の高いものだったと思われます。

 

というのも、収入に占める支出の割合が、燃料が5%だったのに対して、パンはなんと

 

50%!!

 

収入の半分が食料となると、エンゲル係数・・じゃなくて、それはそれはパンの値上がりは民衆にとって由々しき問題どころの騒ぎではなく。

 

子供にご飯を食べさせられないお母さんほど怒らせたら怖いものはない、はず。

(みんながみんなじゃないでしょうが)

 

ということで、フランス革命のときに突撃していくお母さんたちの後ろを、革命系男子たちがトボトボとついていくわけですが。

それが1789年のフランスのヴェルサイユ行進。

 

これ。

フランスは、どんどん革命が激化して、国王ルイ16世が処刑されるまでいってしまい、19世紀は政治が帝政になってみたり共和政になったり王政に戻ったりまた共和政になったり帝政になったり。それはそれは二転三転の嵐。

 

資本主義がだいーぶ遅れていた1917年のロシアにおいて、状況は1789年のフランスと大差ないか、もしくはもっとひどいかもしれない。

 

ツァーリズムという専制政治の時代があまりにも長く続き、その間民衆はひたすら貧しい生活を強いられて。下層民のひどさは、ロシアはたぶんほかの西欧の比じゃないんじゃないかと思う。だからこそ、農民を啓蒙しようとしたところで全く通じず、インテリ兄ちゃんズたちはニヒリズムやらテロリズムに走るしかなかったわけで。

工業国化していっているとはいっても、そこはもう別の国の様相だっただろうな。

 

そうでもなければあそこまで革命は妙な感じに激化しなかったでしょう。

 

表題の答えだけど、ロシアでは1917年3月(2月)に、女性労働者がパンを求めてデモを起こします。

これに軍隊反乱が加わり、全国に波及していく。

(1904年の3月8日にニューヨークで女性が参政権を求めて起こしたデモがきっかけで、この日は国際女性デーなんだそう。ロシアのデモもこの日。)

 

結果、ツァーリズムが1917年の二月革命(二月革命)で終わりを告げるものの、新政府はブルジョワジーの政党が担ったために、第一次世界大戦への戦争継続を決めた。

(二重政権の片割れのソヴィエト(労働者と兵士が支持)のほうも、祖国防衛の立場から戦争継続を支持)

 

結局、「国民」のためではないってことだよね。

ブルジョワジーはさらなる資本主義の発展を望むわけだから、戦線離脱してイギリス・フランスを怒らせるわけにはいかない。

 

その後、レーニンというカリスマが亡命先のスイスから帰国して(ドイツの封印列車で)、瞬く間に革命を成功させ、武力を用いつつ一党独裁体制に入る。

 

これによって、社会主義を目指す国は、とりあえず一党独裁が正しい手段でしょう、という変なモデルが出来上がってしまい、さらにその後はスターリンの時代に個人独裁に入る。

 

一党独裁 → 個人独裁  ですな。

 

社会主義国家って独裁なイメージだなぁ、となるのは、ロシアがそうだったから、ほかも追随しただけなんだよね。社会主義の帝王だからね、ロシア(のちのソ連)は。

本当は決して社会主義=独裁、ではない。

 

マルクスのいう社会主義は、国の中で労働者が主導になることをいうんであって、独裁的要素って実はないんだよね。

ソ連崩壊後、社会主義は悪、みたいになってしまって、労働者の逃げ道はなくなってしまった。

 

格差がどれだけ進行しようとも、資本主義にかわる経済体制は今のところ出てきそうにない。

だって社会主義は資本家にとっては「悪」だから。

(社会主義は、ここでは経済体制という意味合いで使ってます)

 

 

という話を盛り込みつつ、今日はロシア革命の話をしましたよー(*゚ ゚)ノ

 

★★★

 

補足。

授業でも非常に扱いづらいところなんだけど。

 

社会主義を国際主義と定義づける場合、話は少し変わってきて。。

第一次世界大戦当時、ナショナリズムの対義語はグローバリズムではなく、インターナショナリズム。

つまり、国家主義 vs 国際主義。

第1・2インターナショナルは、各国の社会党勢力が結成した組織。

戦争になると割をくうのは労働者だから、国同士の戦争は好ましくない。

そのために社会党勢力はインターナショナリズムを掲げるわけだけど、結局戦争が起きるとナショナリズムに飲み込まれてしまう。

 

といことで、そのような形でのインターナショナルは国家を越えられなかった。

(レーニン率いる第3インターナショナルはまたちょっと違うけど)

でも・・実はハンパではない力をもつインターナショナリスト(?)たちが別に存在したのです。

これは次回のところで触れられると思います。

 

★★★

 

あなたにとって、この世で一番怖いのは誰ですかー?💛💛💛

 

政治家への提言♡

母たちを怒らせすぎたら、政治家の仕事を失うことになるかもしれませんよ?