7月16日に投稿したなう
前代未聞の強力なガンマ線を観測
for National Geographic News
2004年に打ち上げられたスウィフトは、
地球軌道を周回しながら、
ガンマ線バーストを検出すべく天空を監視している。
ガンマ線バーストは強烈な光を放つ爆発現象で、
その正体はいまだ謎に包まれたままだ。
ペンシルバニア州立大学の天文学および
天体物理学教授で、
スウィフト研究チームのリーダーを務める
デイビッド・バロウズ氏によると、
ガンマ線は電磁波で最もエネルギーが高く、
X線より強い貫通力を持ち、
高密度の物質でさえ通過してしまうという。
宇宙の果ての観測限界から飛んできても、
衛星で捉えられるのはこのためだ。
死を迎えつつある大質量星は、最後にコアが崩壊、
大爆発の後にブラックホールが誕生する。
X線バーストは、およそ毎日1回の割合で
ブラックホールと同時に発生しているのではないかと
考えられている。
スウィフトは
ガンマ線と高エネルギーX線の最初の光に加え、
低エネルギーX線や紫外線の“残光”も観測できるように
設計されている。
全天を一度に見渡すことはできないが、それでも通常、
週におよそ2例のガンマ線バーストを検出している。
ところが6月21日、観測中のガンマ線バーストが1分間も続き、
爆発的な量の電磁波が過剰に発生、
スウィフトのデータ処理プログラムが
一時的に停止してしまった。
「あまりにも明るすぎたため、検出装置の限界を
超えてしまった」とバロウズ氏は説明する。「スウィフトには
何の問題もなかったが、
地上のプログラムがデータに間違いがあると判断して、
捨ててしまっていたんだ。
原因がわかるまでにほぼ1週間かかったよ」。
しかし幸運なことに、イギリス
にあるレスター大学の
博士研究員でスウィフト研究チームのメンバーである
フィル・エバンス氏が廃棄データを調べ、
そのガンマ線バーストの真のパワーを突き止めた。
これまで、最も明るいガンマ線バーストが放出する
X線光子量は
最大で毎秒1万ほどと考えられていた。
ところがバロウズ氏によると、
今回のバーストでは、ピーク時の光子放出量が
毎秒14万5000にも達していたという。
つまり以前のスウィフトの観測記録を塗り替えて、
10~15倍も明るく輝いていたということだ。
「観測に何かミスがあったのではないかと
この数週間で調べ上げてみたが、
正確なデータだったというのが現時点での結論だ」
と同氏は話す。
研究チームは現在、記録破りの特異なバーストの
原因について頭を悩ませているところだという。
確かなのは、誕生したばかりの比較的小さな
ブラックホール付近からやってきたということだ。
バロウズ氏は、
「大きな天体の場合は、このような急激なピークを作らない。
非常に小さなブラックホールであるのは間違いないだろう」
と述べている。
今回の発見は、ガンマ線バーストの研究によって宇宙の
起源を探るさまざまな計画に再考を促すものでもある。
例えばNASAが主導する「Xenia」という次世代観測衛星
のミッションでは、バーストそのものではなく、
その爆発が短時間
照らし出す遠方のちりやガスの観測が目的となっている。
バロウズ氏によると、ガンマ線バーストの光を活用して
地球とバーストの間に存在するガスの特性を分析し、
原始宇宙の物質について知ることが可能になるという。
同氏は、「今回を教訓にして、Xeniaの設計は
再検討が必要になるだろう」
と指摘している。
Image courtesy Spectrum Astro via NASA
イースター島の皆既日食(7月11日)
2010年7月11日、チリ領イースター島(パスクア島)で観測された皆既日食。
わずかな時間、太陽が月に覆い隠された。
皆既日食では、月は地球から見て太陽を完全にさえぎりながら通過し、
地球に丸い影を落とす。
月の影の通り道にあたる皆既帯から見ると月が数分間にわたって太陽を覆い、
太陽の上層大気であるコロナがかすかに見えるだけだ。
7月11日の皆既日食を完全に観測できたのは、
太平洋上の幅250キロほどの狭い帯状の範囲にいた一部の人に限られた。
月の影の通り道は、ニュージーランド の北から、
イースター島などの島々がある海域を抜け、南アメリカ大陸の南端に達した。
Photograph by Juan Carlos Casado, TWAN























