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ヨーロッパがアフリカ大陸の下に沈み
込んでいるかもしれない。
最新の研究によると、西地中海に新たな
沈み込み帯が形成され、周辺の地震リス
クが高まっている可能性があるという。
沈み込み帯は、2つのプレートが衝突し、
片方が下へ潜ってマントルに沈み込む
場所だ。
緩やかに進行する場合もあるが、大きく
揺らいで地震の引き金になるケースが多い。
通常は海底にあるため、沈み込み帯型
の地震は津波の原因になり、2011年3月
の東日本大震災のように甚大な被害を
もたらす可能性がある。
地中海海底の一部も含まれるアフリカ
プレートは、何百万年も前から北のユーラ
シアプレートへ向かって移動を続けている。
ただし、年に約1センチというスローペースだ。
オランダ
にあるユトレヒト大学の研究チー
ムは、同地域で起きた最近の地震を調査
している。その結果、アルジェリア の海岸線
からイタリア のシチリア島北部にかけて、
プレート境界付近に新たな沈み込み帯形成
の可能性が浮上した。
研究責任者の地球物理学者リナス・ウォル
テル(Rinus Wortel)氏は、「沈み込み帯の
新たな形成は非常に珍しい」と語る。
同氏によると、約3000万年前はプレート
の上下が逆だった。当時、西地中海に
大規模な沈み込み帯が存在し、アフリカ
プレートがユーラシアプレートの下に滑り
込んでいたという。
高密度の岩石から成るアフリカの海底が
ヨーロッパ大陸の下に潜り込んでいた。
「しかし数百万年も経つと、アフリカプレート
はかなり北へ移動し、西地中海に同プレート
の海底部分がなくなってしまった。
大陸部分だけ残されたが、海底より軽い
岩質なため、沈み込みは起きなかった」。
しかしその後も2つのプレートの収束は
続き、地殻応力が生じていた。ユーラシア
プレートでアルプス山脈、コーカサス山脈、
ザグロス山脈が隆起したのもその影響で
ある。
研究チームは、プレート境界付近で最近
起こった地震の位置や揺れから判断して、
プレートの沈み込みが再開したと見ている。
しかし、今度はヨーロッパがアフリカ大陸の
下に滑り込んでいるという。
今回の研究成果は、オーストリア
のウィーン
で開催された欧州地球科学連合(EGU)の
最近の会合で発表された。
新しい沈み込み帯発見の可能性には科学界
の関心が集まったが、多くの科学者は慎重
な姿勢を示している。
アメリカ
、ノースウェスタン大学の地球物理
学者セス・スタイン氏は電子メールでの取材
に対し、「荒唐無稽な話ではない。
過去200万年の間に、地中海地方はイタ
本土などでも地質学的変化が起きている」と
答えている。
一方でア
の地球物理学者クリス・ゴールドフィンガー氏
は、「簡単にはコメントできない内容だ」と態度
を保留した。
同氏は、OSUにあるアクティブテクトニクス
海底マッピング研究所
(Active Tectonics and Seafloor Mapping
Laboratory)の所長を務めている。
研究責任者のウォルテル氏は今回の
データから判断して、西地中海の地震リスク
は評価の見直しが必要だと訴える。
過小評価されていただけでなく、リスク自体が
高まっている可能性があるという。
「歴史的な経験から、3月に日本で起きた
ような大地震は他人事と考えてきた。
しかし過去100年間に発生していないから
と言って、リスクが皆無になるわけではない」。
実際、シチリア島北東端の都市メッシーナ
では1908年にマグニチュード7.1の大地震が
起きている。
高さ12メートルとも伝えられる津波が襲い、
7万人が命を落としたという。
さかのぼって1755年にはジブラルタル海峡
の西で地震が発生。
ポルトガル の首都リスボンを巨大津波が襲い、
ヨーロッパ史上最大級の地震災害となった。
約10万人が死亡したとの試算もある。
Photograph courtesy NASA














