「パナマ文書(Panama Papers)」スキャンダル、各国で調査開始

中米パナマの首都パナマ市にある、
法律事務所モサック・フォンセカが入るビル
(2016年4月4日撮影)。
(c)AFP/RODRIGO ARANGUA
2016年04月05日 07:56
発信地:パリ/フランス
【4月5日 AFP】パナマの法律事務所から流出した
大量の内部文書により、同国のタックスヘイブン
(租税回避地)を利用した闇の金融取引に多数の
政治家や著名人が関与していた事実が明らかに
なったことを受け、スペインやフランスなど
数か国の当局は4日、脱税疑惑の調査を開始した。
このスキャンダルは3日、パナマの
タックスヘイブンでのペーパーカンパニー設立を
数多く手掛けてきた法律事務所
モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)の
内部文書1150万点に関する1年に及ぶ調査結果を、
メディアグループ各社が公表し始めたことで露呈
した。
「パナマ文書」と呼ばれるこれら文書は、独日刊紙
の南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)が
匿名の情報筋から入手し、
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が
100以上のメディアグループに公開。
今後、数日から数週間のうちに、さらなる情報が
公開される見込みだ。
これまでにタックスヘイブンの利用者として
名前が挙がった中には、ロシアの
ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)
大統領の側近や中国の
習近平(Xi Jinping)国家主席の親族、
アイスランドの
シグムンドゥル・グンロイグソン
(Sigmundur Gunnlaugsson)首相、
サッカースペイン1部リーグ、
FCバルセロナ(FC Barcelona)の
リオネル・メッシ(Lionel Messi)選手、
さらには
ジャッキー・チェン(Jackie Chan)さんら
人気俳優も含まれる。
メッシ選手に加え、
米アカデミー賞(Academy Awards)受賞経験も
あるペドロ・アルモドバル(Pedro Almodovar)
監督の関与も指摘されたスペインでは、最高裁の
司法筋がAFPの取材に対し、
「われわれはその法律事務所(モサック・フォンセカ)
に関連し、マネーロンダリング(資金洗浄)の疑い
で調査を開始した」と明らかにした。
またオーストラリアも、同法律事務所の顧客だった
富豪800人に対する調査に着手。
さらにフランスの検察当局とオランダの税務当局も、
それぞれ国内での調査の開始を発表した。
一方、名指しされた著名人らは、一様に疑惑を否定
している。
メッシ選手の家族は声明で、マネーロンダリングの
ネットワークなどを通じて租税回避を試みたとの疑惑は
「虚偽であり、侮辱的」と、全面的に否定した。
なお、メッシ選手は別件の脱税疑惑で訴追されており、
5月に公判が始まる予定だ。
プーチン露大統領の側近らが
「銀行や企業を通じて20億ドル(約2200億円)もの
資金を秘密裏に移動させた」とICIJに指摘された
ロシア政府は、スキャンダルは米国の陰謀だとの見方を
示唆した。
ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官
は「プーチン大統領、ロシアとその安定性、そして近く
行われる選挙が、主な標的にされている。特に状況を
不安定化させるためだ」と非難し、一連の報道は
「(米国の)国務省や中央情報局(CIA)などの特殊
機関の元職員」であるジャーナリストらが担当した
可能性が高いと指摘した。
タックスヘイブンを利用した金融取引そのものに
違法性はないが、これを通じて税務当局からの資産隠し、
犯罪活動から得た収益の洗浄、横領した資金や政治的に
不都合な資産の隠蔽(いんぺい)などが行われることも
ある。(c)AFP/David WILLIAMS

