「サイバー救助犬」災害現場で活躍目指す 東北大チーム

埼玉県富士見市で、全地球測位システム(GPS)
やカメラを搭載したバックパック型の装置を
背負って「サイバー救助犬」の訓練を受ける
ゴンタ(2016年2月14日撮影)。
(c)AFP/KAZUHIRO NOGI
2016年03月05日 18:54
発信地:埼玉
【3月5日 AFP】東北大学(Tohoku University)
の大野和則(Kazunori Ohno)准教授らのチームが
災害現場での要救助者捜索用に開発した機器を装着
した「サイバー救助犬」が、年内の運用開始を
目指している。
先月、埼玉県富士見市で行われた訓練には、
10歳のブリタニー・スパニエルの「ゴンタ」が
サイバー救助犬として参加。
全地球測位システム(GPS)やカメラなどの計測機器
を搭載したバックパック型の装置を背負って
コンクリートのがれきの中を探索し、位置情報や
画像データをタブレット端末にリアルタイムで送信
した。
大野准教授によると、救助犬ががれきの奥に入った
後は中の様子がわからないことが、これまでの問題点
だった。
だが、サイバー救助犬に取り付けられた装置から
ハンドラのタブレットに送信される情報で、崩壊した
建物の中の様子や生存者の位置などを知ることができる
という。
装置の重量は1.3キロ。ゴンタのような中型犬が
背負っても負担にならない重さだ。米国では大型の
軍用犬に装置を取り付けて災害現場に派遣する例が
あるが、救助作業では小回りのきく中型犬のほうが
望ましい。
ゴンタは2011年3月の東北大震災の際にも救助活動
に加わった。
だが当時は、ゴンタも他の救助犬も嗅覚のみに頼って
生存者を捜した。
救助犬によるこれまでの捜索活動での大きな問題点は、
倒壊した建物のがれきに犬が潜ってしまうと、中で
何が起きているのか、外の人間に分からなかったこと
だという。
一方で大野氏は救助ロボットも開発した。
ロボットは過酷な状況下でも長時間の捜索が可能だが、
限られた時間内に広い範囲で要救助者を捜せる犬の能力
には及ばなかった。
災害発生時の人命救助では、それを過ぎると生存率が
極端に下がるといわれる72時間以内の救助が重要な
目安だ。
ロボットにできることとできないことを研究している
うちに、救助犬とロボットを組み合わせた新しい技術
を開発できるんじゃないかと思ったと大野氏は話す。
大野氏は、サイバー救助犬用のバックパック型装置
の開発を支援した
日本救助犬協会(Japan Rescue Dog Association)
に年内にも装置を貸し出したいと考えている。
(c)AFP/Natsuko FUKUE

