夜空にかすかな軌跡を描く、
こと座流星群の流星(右上)。
アメリカ、マサチューセッツ州の
ナンタケット島で2010年4月撮影。
夜空にかすかな軌跡を描く、
こと座流星群の流星(右上)。
アメリカ、マサチューセッツ州の
ナンタケット島で2010年4月撮影。
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こと座流星群が今年も見ごろの時期を迎える。
活動がピークになるのは4月22日の午後3時ごろ
(日本時間)。
月がほとんど姿を見せない新月の時期と重なっ
ているため、ここ数年では最も見ごたえがあると
期待される。
専門家によると、基本的に地味な流星群だが、
毎年4月には予想外の出来事がいくつか起こる
という。
「流星の数は1時間に10~20個程度だが、100個
現れることも珍しくない」。
そう語るのはカナダ、バンクーバーにあるH.R.マクミラン
宇宙センターの天文学者ラミンダー・シン・サムラ氏。
「ごくまれに強烈な光を放つ星が夜空を横切ること
もある。なかなか感動的な光景だよ」。
◆原因はちりと地球大気の衝突
他の1年周期の流星群と同様、こと座流星群も
彗星から放出された砂粒大のちりが引き起こすと
考えられている。
彗星は太陽に接近するにつれて内部の氷が気化し、
細かいちりや小さな岩石を放出。それらは太陽の
周回軌道上に残存することになる。
こと座流星群の母彗星は、太陽を416年周期で
周回するサッチャー彗星と考えられている。
太陽系の軌道面に対してほぼ垂直の軌道を持つため、
残された細かいちりや岩石が、惑星や小惑星、
他の彗星の引力によって乱されることがほとんどない。
数百年に渡って毎年観測できる理由と考えられている。
サムラ氏は次のように話す。「サッチャー彗星が
太陽に最接近したのは1861年が最後だが、現在も
軌道上には細かいちりなどが残っている。
毎年4月、通過する地球の大気にちりや岩石が突入し、
そのまま高速で移動しながら燃える。
その光が流星群となってわれわれの眼に届く」。
◆出現場所はベガが目印
こと座から放射されているように見えるためその名が
付いている。非常に明るい恒星「ベガ」が存在するので、
他の流星群に比べると放射中心点が発見しやすいという。
サマラ氏は、「夜の明かりがこうこうと灯る都市部でも
ベガを目印にできる」と説明する。
放射中心点が地平線付近または下に位置する南半球
では、それほど多くの流星は期待できないかもしれない。
今年は新月なので、北半球では絶好の条件といえる。
「光害がない地方なら、ここ数年で最もきれいに見えるの
ではないか」とサムラ氏は予測している。
Photograph by Greg Hinson, My Shot
ナショナルジオグラフィック日本語公式サイト