ロシア探査機・Phobos Gruntの最期、肉眼で観測可能?
打ち上げ準備中の火星探査機
フォボス・グルント(2011年11月2日撮影)。
Photograph from Roscosmos via
Photograph from Roscosmos via
European Pressphoto Agency
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January 13, 2012
打ち上げ後の軌道投入に失敗し、
2カ月以上にわたって地球を周回していた
ロシアの火星探査機フォボス・グルント。
大気圏への再突入は1月15日ごろと発表
された。
ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は
制御回復の希望を捨て、地球へ落下する
破片の行方に集中している。
20~30個、合計200キロほどが地上に落下
する見込みだが、人に当たる危険性は
極めて小さいという。
ドイツ、ダルムシュタットにある
ドイツ、ダルムシュタットにある
欧州宇宙機関(ESA)宇宙運用センターで
スペースデブリ(宇宙ゴミ)部門を率いる
ハイナー・クリンクラッド(Heiner Klinkrad)氏は、
「フォボス・グルントは主に低融点の材料を
使用している。
再突入の際に大部分が燃え尽きるため、
地上へのリスクは小さい」と話す。
11トンの有害な推進剤も積んでいるが、
11トンの有害な推進剤も積んでいるが、
再突入時に巨大な火の玉となって燃え尽きる
はずだ。
「ロスコスモスは、海や陸の環境汚染の
可能性はないと予測している」。
◆再突入の時間と場所は予測困難
フォボス・グルントの目的地は、2つある
◆再突入の時間と場所は予測困難
フォボス・グルントの目的地は、2つある
火星衛星の1つ「フォボス」であり、土壌を
採取し、2014年に地球へ送り返すサンプル
リターンのミッションだった。
しかし、2011年11月9日の打ち上げ後の
しかし、2011年11月9日の打ち上げ後の
エンジン噴射に失敗、地球の周回軌道から
脱出できなくなった。
「高度200キロ前後は外層大気の抵抗が
大きく、軌道が急激に低下していく」と
クリンクラッド氏は語る。
大気圏に再突入する時間と場所を特定
大気圏に再突入する時間と場所を特定
するのは難しい。
軌道上での最後の数日、数時間にどのような
挙動を示すかに左右されるためだ。
「14トンの探査機が高度120キロ以下で
「14トンの探査機が高度120キロ以下で
最後の周回を終えた時が1つのポイントだ。
空気抵抗で、太陽電池パネルなどの付属品
の一部が外れる可能性がある」と
クリンクラッド氏は述べる。
「太陽活動や地磁気活動の短期的な変化も、
「太陽活動や地磁気活動の短期的な変化も、
大気密度に大きな影響を及ぼす。軌道上での
時間数も大きく変わるだろう」。
◆“シュールな彗星”
夜空に散る最後に至るまで、運が良ければ
◆“シュールな彗星”
夜空に散る最後に至るまで、運が良ければ
肉眼で確認できるかもしれない。
人工衛星を長年追跡しているカナダ、
人工衛星を長年追跡しているカナダ、
トロント在住のアマチュア天文家テッド・
モルツァン(Ted Molczan)氏は、
「条件がそろえばだれでも簡単に見つかるだろう。
急速に移動する明るい星のような物体を
探せば良い」と説明する。
「はっきりしたオレンジ色が見えたという報告も
上がってきている。表面の大部分が金色の
サーマルブランケットで覆われているからだ」。
しかしハイライトの瞬間は、最期を迎えた
しかしハイライトの瞬間は、最期を迎えた
フォボス・グルントが大気中で燃え上がるときだろう。
大気密度が高い層に突入すると、加熱して
明るく輝き始める。
プラズマの長い尾を引いた姿は、まるで
“シュールな彗星”のように見えるとモルツァン氏
は語る。
「最終的には、極度の高温と急激な減速のため
「最終的には、極度の高温と急激な減速のため
粉々になり、破片の筋が高速で空を横切る。
視界を遮るものがなければ、おそらく1、2分は
視界に入るだろう」。
ESAのクリンクラッド氏は、地上に落下した
ESAのクリンクラッド氏は、地上に落下した
破片を記念に持ち帰ってはならないと警告する。
「破片もロシアの所有物だ。見つけたら国の
担当機関に届け出てほしい」。
Photograph from Roscosmos via European Pressphoto Agency
Photograph from Roscosmos via European Pressphoto Agency

