プロローグ その四 | Anotherを愛する会

Anotherを愛する会

原作:綾辻行人『Anotherシリーズ』のファンサイト。
主に同人小説とSSを掲載しています。
現在はイラストの勉強中なのですが、鬱障害・睡眠障害・ADHDを患っている為、捗っていません。
将来は手描きMAD・フィギュア・MMDもマスター出来たらと夢を見ています(遠い目)

※ アニメ版の第9話アバンタイトル~Aパートの恒一「まだ。」までのシーンを再生するべし。

※ アニメ版の第7話における「<死者>は誰?」のシーンを再生するべし(単行本・P.473P.476でもおk)

※ 喫茶店のメンバーに風見も参加させます。

 

勅使河原「教室!?あっ……。それ、本当なのか?」

  恒一「そう言ったんだよ。松永さんが。」

  望月「教室って、旧校舎の昔の三年三組だよね。」

  風見「で、教室に何を隠したって?」

  恒一「(無言で首を横に振る)」

勅使河原「そうか。ま、場所が分かっただけでも上出来だな。よし。」

  恒一「待って。他の人には教えたくないんだ。」

勅使河原「何で?」

  恒一「中尾くんさ、海に来なきゃ、死ななかったと思うんだ。」

  望月「……。」

  風見「……。」

勅使河原「そりゃ……。」

  恒一「だからさ、人を増やしたくないんだ。これ以上、人死にを出したくないんだ。風見、君以外の対策係にも言わなくていいと思う。何かが見つかって、それで赤沢さん達の協力が必要だって分かったらで。」

  風見「……そうだね。女の子達を危険な目に遭わせたくはないしね。」

  望月「それでいつ行く?旧校舎。」

勅使河原「これからじゃねえの?」

  望月「夕方から家族で出掛けないと……。明日なら。」

  恒一「じゃあ、明日の早朝とかどう。」

勅使河原「朝は勘弁してくれ。」

  恒一「じゃあ、昼?」

  望月「昼は……部活の人が多いから。一応旧校舎の二階って立ち入り禁止だし。」

  恒一「じゃあ、夜?」

  風見「夜に探し物はちょっと……(顔面蒼白)。」

  恒一「じゃあ、午後三時で決まりね。」

勅使河原「OK。」

  望月「いいよ。」

  風見「分かった。」

勅使河原「望月、美術部って旧校舎だよな。」

  望月「そうだけど。」

勅使河原「夏休みって部員来るか?」

  望月「誰も来ないね。」

勅使河原「じゃ、部室に集合でいいよな。」

  望月「そうだね。鍵は持ってるし。僕なら旧校舎にいても怪しくないし。」

  恒一「勅使河原、お前、その格好で来るなよ。」

勅使河原「え、何で?」

  恒一「目立つって。」

勅使河原「……?お洒落さんは目立っちゃうか。」

  恒一「(苦笑)」

  望月「(苦笑)」

  風見「(苦笑)」

 

      ◆

 

 夜見山北中学校の付近に年季の入った煉瓦造りの教会がある。その入口の扉を一人の少女が勢いよく開けた。多々良恵だった。

 多々良はコツコツとヒールの音を響かせて、祭壇の前へと向かった。最も近くの会衆席に座ると、首から下げていたロザリオを握り締める。

 「神様、お願いしますっ……!どうか災厄を止めてくださいっ……!私達を守ってくださいっ……!私からマコくんまで奪わないでくださいっ……!」

 多々良は大粒の涙を流し、真剣に祈った。

 

      ◆

 

※ テープ探しのメンバーに風見も参加。勅使河原と共に現れる。

 

  綾野「あれ?こういっちゃんに、てっしーとかざみん?」

  小椋「帰宅部のエースが何で学校に来てるの?」

  恒一「ちょっとね……。」

勅使河原「望月と待ち合わせでよ。」

  風見「二人は部活?」

  小椋「……う、うん。」

  綾野「ちょっと、千曳先生にね。」

  恒一「え?第二図書室に?」

  綾野「そっちじゃなくて、千曳先生は演劇部の顧問なの。」

  恒一「え……。」

  風見「そうなの?」

勅使河原「マジ?あの黒尽くめが?」

  綾野「あれで結構、演技指導上手いんだよね。」

  小椋「演技していると、何気にカッコよく見えるから不思議。」

  綾野「で、二人は何しに来たの?」

  恒一「……災厄を止める手がかりを探しに来たんだ。それがどういうものなのか分からないけど、見つかったら、ちゃんと皆に説明するつもりだから。」

  小椋「えっ……マジ?」

  綾野「そんなのあるんだ……。」

  恒一「出来れば自分達の手で、三組の災厄を止めたいんだ。」

  綾野「ふ~ん……。」

勅使河原「綾野と小椋も来るか?」

  風見「ちょっと!」

  綾野「……パス。」

  小椋「あたしもちょっと……。」

  綾野「……さようなら、こういっちゃん、てっしー、かざみん。」

  小椋「じゃあね……。」

  恒一「?さようなら……。」

勅使河原「……?」

  風見「……?」

 

      ◆

 

※ アニメ版の恒一と勅使河原が美術部の部室に入るシーン~Bパート・恒一「ちょっと……。」までのシーンを再生するべし。

※ 適当に風見も参加。

 

風見「誰かに見られて、新しい七不思議になるのも気が引けるし、窓は開けないでおこうよ。」

 

※ 望月の台詞を風見に変更しています。

※ 綾野と小椋が別れるシーンの際に、多々良が通り過ぎて二人を見かける。

 

風見「これだね!これもきっと松永さんが書いたんだよ!」

 

※ 望月の台詞を風見に変更しています。

 

風見「馬鹿め……。」

 鳴「ワカメ。」

 

※ アニメ版の勅使河原「うわぁぁぁぁぁぁ、マジかよ……。」~小椋兄の遺体が映るシーンまでを再生するべし。

 

  風見「修理したらきっと聴けるよ。」

勅使河原「これ直せるのか?」

  風見「出来なくはないと思うけど……。」

勅使河原「よし、じゃあ任せた!続き、聴かせろよな!」

  恒一「まかせられて大丈夫?」

  風見「うん。兎に角、やってみるよ。」

 

※ アニメ版における望月の出番・台詞・役割を風見に変更しています。

※ アニメ版の第10話アバンタイトルにおいて綾野家と小椋家の惨劇や合宿について会話する女子生徒三名は、一般的には消去法で多々良・中島・藤巻の説が最有力ですが、本作では次の様に変更します(ほぼ原作小説・アニメ版の台詞を殆ど他のキャラに当てはめているだけです)

 

辻井「聞いた?綾野さんの事……。」

柿沼「あれって、逃げようとしたんだよね?」

辻井「逃げようとしたから死んだって事?」

柿沼「分からない……。同じ日に、小椋さんのお兄さんもなんでしょ?」

辻井「うん……。引きこもっていたんだよね……。」

 

小椋「兄貴が死んじゃった……。あたしの所為だよ……。」

江藤「そんな……由美の所為なんかじゃ……。」

小椋「あたしが三組だったから兄貴は巻き込まれたんだ!どうしよう、兄貴っ、昔はあたしの事、沢山可愛がってくれたんだよ!?自慢の兄貴だったのに!大好きな兄貴だったのに!それなのにあたしは兄貴に辛く当たって……。あたしが死ねば良かったのに……。」

 

   恒一と勅使河原が美術部の部室に入るシーン~Bパート・恒一「ちょっと……。」までのシーンを再生するべし。

※ 原作の回想シーンを以下の配役で読むべし(単行本・P.468~P.472

 

望月「八月八日から十日って、十五年前の合宿と同じ日程なんですよね。

三神「ええ、そうね。」

望月「夜見山神社のお参りも、するんですか。」

三神「そのつもり……だけれど。」

望月「二日目の、九日に?」

三神「十五年前もその日みたいだから。」

望月「でも、十五年前にはその日に事故があったみたいで……。」

三神「知ってるわ。千曳先生のファイル、見せてもらったし。だけどね、やってみるからには、出来るだけ同じ条件を整えて実行するべきなんじゃないかって。

望月「じゃあどうして、終業式の日、皆にちゃんとそう説明しなかったんです?」

三神「ああ、それは……自信が持てなかったから。」

望月「……。」

三神「本当にこれが“大切な行事”なのか。本当にそれで今年の災厄が止められるのか。どのくらいの期待を抱いていいのか。私自身どうしても、自信が持てなくて、迷い続けていて……だから、あの時はどうしても、あんな風にしか。」

望月「今はもう迷いはなくなったという?」

三神「―――分からない。」

望月「……。」

三神「分からないけれど、でも何もしないでいるよりは、少しでも可能性があるんだったら……てね。やっぱりそう思うから。」

 

※ 原作小説において三神と会話しているのは恒一の可能性が高いです。

 

前島「合宿、お前はどうするの?」

水野「いや、俺は……。」

前島「……お姉さんが亡くなって辛いのは分かるけど、だからって塞ぎ込んでも仕方ないよ。それに風見からこっそり聞いたんだけど、今回の合宿、何か意味があるらしいぞ。」

水野「……意味?」

前島「合宿を行って<災厄>が途中で止まった年があるんだってさ。」

水野「……!?」

 

※ 原作だと勅使河原と風見の会話だと思われます。

 

松井「合宿、誰が来るのかな?」

金木「対策係のメンバーは全員参加するんじゃないの?あと榊原くんはやっぱり……。望月くんも三神先生がお目当てで……。」

松井「じゃあ、見崎さんも来るのかな?」

金木「さぁ……。」

松井「あの子が行くんだったら嫌だな、私。」

金木「でも、もう関係ないじゃない。<いないもの>のおまじないは終わったんだし。

松井「それはそうだけど。でもやっぱり、見崎さんって何かこう、近寄りがたいっていうか……人を見る目が冷たい感じ、しない?」

金木「そんなに苦手なの?」

松井「苦手っていうより、不気味……。」

金木「……。」

松井「小学校の時に、あの子にすごく似た子がクラスにいたのよね。

金木「あの子って、見崎さんに?」

松井「そう。」

金木「でも見崎さんって、一人っ子じゃなかったっけ。」

松井「苗字は違ってたの。けど、下の名前は確かミサキっていって。

金木「へぇ。」

松井「今でも私ね。あれって実は今のあの子と同一人物なんじゃないかって、時々そんな気が……。」

金木「その子、中学は?」

松井「五年生の時、引っ越してったのよね。だからよく分からない。」

金木「眼帯は?してた?」

松井「それは……してなかった。かな。」

金木「見崎さんが左目失くしたの、四歳の時だって聞いたけど。

松井「えっ……。それじゃあ……。」

 

※ 本作における1話~13話は合宿直前までの展開かつエピソードに尺を使っていると考えて下さい

 

<追記:2023年7月5日>

※追記・修正を行いました