宝塚歌劇団花組のトップスター柚香光さんが、宝塚歌劇として最後の舞台を終えられました。退団公演後の記者会見では、タカラジェンヌの正装である、緑の袴に黒紋付をお召しになって、晴れやかな笑顔で宝塚歌劇への愛と、後輩タカラジェンヌへの励ましの言葉も語られました。

宝塚花組トップ柚香光の退団公演が東京でも千秋楽 「とても良い青春だった」会見一問一答 - 産経ニュース (sankei.com)

宝塚歌劇団花組のトップスター、柚香光(ゆずか・れい)とトップ娘役、星風まどかが26日、東京宝塚劇場(千代田区)での退団公演「アルカンシェル~パリに架かる虹~」の千秋楽を迎えた。サヨナラショー終了後、黒紋付に緑の袴の正装で会見に臨んだ柚香は周囲への感謝の思いとともに、「ファンの思いを胸に進んでいきたい」と意欲も語った。一問一答は以下の通り。

退団記者会見を行った花組トップ柚香光

――宝塚での全ての舞台を終えた今、宝塚はどんな場所だったか。

「私の青春です。青春の一言に尽きる。そしてとても良い青春であったな、と感じています」

――(サヨナラショーの)挨拶で「羽を下ろした」と述べたが、その心境と男役として目指したものは。

「感謝の思い、安堵の気持ち。(パレードの)羽の重みは、とても大きなものがあるので、無事に下ろさせていただけたのは、お客さまの応援があってのこと。ありがとうございますという思いが膨らみました。私もずっと宝塚の男役、トップスターというものを自分に問い続けてきたが、自分の中で大切にしたいと思ったのは、品性や品格、愛であると感じています」

――3月24日の宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)での千秋楽は最後、黒燕尾服で、今日は白紋付に緑の袴というタカラジェンヌの正装だったが、その心は。

「宝塚の生徒の正装ですので、最後は生徒として卒業させていただきたい、身を引き締めてご挨拶させていただきたいと思い、紋付きの正装にしました」

――宝塚大劇場での千秋楽と、心境の違いはあるか

「(宝塚)大劇場の時も、お客さまや今まで携わってくださったあらゆる方への感謝の思いがあふれたが、より『ありがとうございます』という言葉で埋めつくされています」

――今朝、何を思って目覚めたか。今の心境は。

「私、目覚ましをスマホで設定しているんですが、起きたとき、スマホの電源が落ちてて、『気づいてよかった、起きられてよかった』でした。質問の意図、そうじゃないですよね(笑)。通常モードで最初に思ったのは、『どんな一日になるであろうか』という緊張感を抱きながら、色々な方から温かいメッセージを頂戴し、歴代の花組生の方々や、ご縁があった皆さまの思いも胸に、お客さまに喜んでいただける一日をお届けしたいな、という思いでスタートしました」。

――今の花組生(後輩)に伝えたいことは

「下級生といえども、私にはない魅力を持っている方がたくさんおいでになりますし、皆さん生き生きとしていて、私も何度もパワーをいただいた。自分を信じ愛し大切にし、伸び伸びと舞台を務めてほしい」

――今後の予定は。

「いろんな片付けをしつつ、こうして皆さまに応援していただいて、宝塚花組トップとして卒業しましたので、ファンの思いを胸に、恥ずかしくないようにこれからも進んでいきたい。劇場で私も花組を楽しみに見ます」

ゆずか・れい 東京都出身。宝塚音楽学校に95期生として入学し、平成21年、宝塚歌劇団に入団し、花組に配属。華のある立ち姿とキレのあるダンスで令和元年11月にトップスターに就任。代表作に「はいからさんが通る」「うたかたの恋」など。